自分探しの「家出」をすべし

──経営層も直属の上司の性質を理解したうえで、うまくはまるポジションを与えている気がします。

それは部下にとっては地獄ですよね。「この中でなんとかうまくやれ」というようなことをやっているから、日本の労働生産性はG7で24年連続最下位という不名誉な世界新記録を更新しているのだと思います。

みんなで議論をして、同じ方向を向かなければ、勝てるものも勝てなくなります。

──確かに。ただ出口さんの言うように「家出」しても、どの職場も問題があるでしょうし……。

ええ。ただし基本的には、転職を繰り返すことができる社会は、すばらしいと思いますよ。人間は、一生自分に合ったものを探し求めるもの。人生は自分探しの旅ですから。終身雇用は、もしそこが合わなければ牢獄のようなものです。

Answer:部下にとっては地獄です。経営層が取り合わなければ、「家出」しましょう

出口治明(でぐち・はるあき)
ライフネット生命保険会長

1948年、三重県生まれ。京都大学卒。日本生命ロンドン現法社長、国際業務部長などを経て2013年より現職。
 
(構成=八村晃代 撮影=市来朋久)
【関連記事】
歴代上司の"いいところ"だけを学習しよう
管理職とリーダーの「決定的な違い」とは
"3人に1人"の不満社員を奮起させるには
女より怖い嫉妬心"メラメラ男上司"の生態
確実に昇進する自己アピール方法はあるか