「難関中学・高校・大学に合格」「高倍率の大企業に内定」。自分の子供を“成功者”に導く親には共通点がある。それは子供が「うれしい」と思うような言葉を繰り返し口に出していることだ。そうした言葉には、子供の「生きる力」を伸ばす効果がある。一体どんな言葉なのか。10個のフレーズを紹介しよう――。

子育てに迷走する親ほど「口やかましい」

筆者は長年、子育てに悩む思春期の子を持つ母親から相談を受けているが、よくこんな相談が飛び込んでくる。

「子供がどうしようもないので、どうにかしようと思って頑張るけれど、やればやるほど悪循環。私が死ねば、子供もようやく気づくのではないでしょうか? もう、母が死ぬしかないですよね?」

子育てに迷走し、自分を見失った母親は、ここまで思い詰めることがある。だが、私の経験則では、そうした母親はわが子に対して「口やかましいだけ」である。

子育てという「戦場」では、親が子供の前面に出て「盾」になるのではなく「後方支援」に徹しなければならない。それなのに、迷走している親は家庭が「心と体の栄養補給基地」であることを忘れ、われ先に前線に出てしまう。その結果、何をするべきだったかを見失ってしまうのだ。

例えば、こんな悩みを口にする母親は少なくない。

「ウチの子、やる気がないんです!」

▼やる気を育てるのも削ぎ取るのも、親の言葉

私は過去の自分への反省も踏まえ、こう思っている(編注:筆者の鳥居りんこさんは娘と息子の中学受験を支え、2人の子供は大学を卒業し、現在社会人)。

「子供のやる気を削り取っているのは、あなたのその『口撃』だ」

ほとんどの子供は何をやらなければいけないかはわかっている。ただ、それに立ち向かうエネルギー(やる気)が不足しているだけなのだ。つまり「子供のやる気」という問題を解決するには、外で戦えるだけのエネルギーを家庭でいかに貯められるかにかかっている。

だが、家庭不和や母の不機嫌などが蔓延している「基地」では、子供はやる気をチャージできない。もし「子育てが迷走してきた」という自覚を持ったならば、一度、自分にこう問いかけてみてほしい。

「自分は、過去の後悔、未来への不安、そして現在の不満を、ただ子供にぶつけているだけなのでは?」