生産性向上につながる「人づくり」を

政府も目下、「人づくり革命」でも生産性向上に関する課題解決を視野に入れている。担当大臣の記者会見によると、人づくりにおける主なテーマは、「無償化を含む教育機会の確保」「社会人のリカレント(学び直し)教育」「人材採用の多元化、高齢者活用」「人的投資を核とした生産性向上」「全世代型の社会保障への改革」である。

ワークス・インデックスには教育・訓練という項目もある。2016年は、ほかのインデックスが60点前後であるのに対して、教育・訓練は31.7点と低い。教育・訓練は特に課題が多いことがわかる。

これは経費削減の一環としてOJTをはじめとした企業内での研修・教育機会も限られている中で、業務負荷増大などにより忙しくなり、自分で勉強する自己啓発もそれほど進んでいないということだろう。

日本ではこれまで、製造業においてアメリカ流のQC(クオリティ・コントロール)を日本の職場において普及させるためにQCサークルに昇華させ、職場における品質管理活動をチームで行い、成果を上げてきた歴史がある。こうした過去の動きを製造業以外でも参考にし、チームで業務プロセスの見直しをしていくことが必要かもしれない。

政府もこれまで教育訓練助成金を出していたが、より高度で専門的な知識を身に着けるサポートとして、2014年10月から専門実践教育訓練給付金を提供している。

個人としても何を学べばいいのか。一つの考え方は現在の仕事の生産性を向上させるスキルを身につけることだろう。

制度的に後押しをしながら、いかに社会人の学びを増やしていくかが今後の課題になる。

戸田淳仁(とだ・あきひと)
リクルートワークス研究所主任研究員/主任アナリスト。2002年慶應義塾大学経済学部卒業。2008年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。同年リクルートに入社し、ワークス研究所勤務となる。2015年より現職。
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