その後、「手作り健康経営」に限界を感じた平井はDeNAで健康経営を導入する意義やコンセプトを盛り込んだ企画書づくりに着手する。その構想づくりを支援したのがコクヨの働き方改革コンサルタント、坂本崇博だ。

コクヨ 働き方改革コンサルタント/渋谷ウェルネスシティ・コンソーシアム事務局長●坂本崇博さん

坂本と平井の出会いは2年前に遡る。15年11月に働き方改革セミナーを開催していた坂本は、話を聴きに来ていた平井から声をかけられる。

「会っていきなり平井さんは健康について捲し立てるように私に語り出したんです。当時、私はさほど健康経営に詳しくなく、話の内容はピントこない部分もあった。ただ、平井さんからは熱量を感じた。それで後日、DeNAのオフィスを訪ねて平井さんと腰を据えて話しました。すっかり盛り上がって、気付いたら『私、手伝いましょうか』と口走っていました」(坂本)

坂本は平井の話で健康経営に興味を覚え、自らも体現して健康と仕事の相関関係を探った。

「3カ月間で15キロ痩せると、確実に仕事のパフォーマンスが上がることを実感しました。その後太ると、終わるはずの仕事が時間内に終わらない。風邪をひきやすくなり、眠くもなって、明らかにコンディションが悪くなる。今またダイエットをはじめているところです」(同)

身をもって健康経営を知った坂本は、働き方改革と同じだと思った。

「会社が投資しても社員の意識や行動が変わらない限り成功しません」

コンサルタントの知見が、平井の熱い気持ちとかみ合って、DeNAの健康経営を推し進めていく。