恋をすると女性ホルモンがたくさん出る?

「自分の体は自分でコントロールできる」。そう信じている女性も多いでしょう。特に学歴もキャリアも努力して手に入れてきた女性ほど、心身の健康をコントロールしようと頑張りがち。

でも、人体には解明されていないことがたくさんあり、思いどおりになんてなりません。この事実を自覚しつつ、玉石混交の情報を取捨選択できるよう、正しい知識を身につけることが大切です。

▼こんな言葉、信じていませんか?
女性ホルモンを増やせばキレイになれる
女性ホルモンの1つエストロゲンは、「美容ホルモン」「若返りホルモン」とも呼ばれ、たくさん出るほどキレイになると思われがち。でも、「多ければいい」というのは勘違い。むしろ影響期間が長すぎると、乳がんや子宮体がんのリスクが高まるというデメリットもある。
遊び人がピルを飲む
ピルは「副作用のある不自然な薬」というイメージが強く、「遊び人が飲むもの」という言いがかりまでつけられるほど。個人差はあるが、ピルには生理痛が軽くなる、生理不順が治る、月経前症候群の症状が改善されるなどメリットが多いのも事実。まずはピルを正しく理解して。
恋をすると女性ホルモンがたくさん出る!
恋をしようがしまいが、卵巣は日々働き、女性ホルモンを分泌するもの。恋によって分泌されるのは、脳内物質や別のホルモンであり、「閉経した女性が韓流スターに夢中になったら、女性ホルモンが出て生理が復活した」などという話は、単なる都市伝説にすぎない。
閉経するとオヤジ化する!
「閉経する→女でなくなる→オヤジ化する」と考える人もいるが、閉経しても、女性ホルモンが出なくても、女性は死ぬまで女性。常に女性である自覚と自信を持ち、ホルモンにまつわる怪しい情報や歪んだ思い込み、周囲の心ない言葉に振り回されないで。
産婦人科医 宋 美玄先生(そん・みひょん)
子育てをしつつ“カリスマ産婦人科医”として活躍。メディアを通じ女性の性や妊娠、出産などについて積極的に啓発。著書に『女のカラダ、悩みの9割は眉唾』(講談社+α新書)など多数。
 

構成=藪 智子