【シナリオ1】暗殺説

トランプ氏の人種的、宗教的、性別的な差別発言に侮辱を感じている人は米国内には山ほどいます。銃は野放図状態です。その憤りを銃弾に込め、実行に移す人間が現れてもおかしくはありません。

潜在的暗殺者には、イスラム教過激思想に染まった「ホームグローン・テロリスト」(アメリカ生まれアメリカ育ちのテロリスト)から黒人過激派や極左分子などがいます。さらに銃マニアの精神異常者もうようよしています。

高濱賛『結局、トランプのアメリカとは何なのか』(海竜社)

史上最悪の乱射事件が起こったのはトランプ政権下です。10月1日には西部ネバダ州ラスベガスで58人が犠牲になりました。その1カ月後の11月6日にはテキサス州の教会で25人が精神異常者に射殺されています。

トランプ大統領だって、いつ、どこで暗殺されるかわかりません。

何せ、アメリカではエイブラハム・リンカーン第16代大統領はじめ4人の大統領が暗殺され、16人の大統領が暗殺未遂にあっているのです。

大統領警護隊(シークレットサービス)は原則として大統領暗殺計画や未遂事件については一切明らかにしていません。

それでも一部の報道によると、17年5月にはホワイトハウス近くにある高級ホテル「トランプ・インターナショナル・ホテル」(トランプ一族が経営)でライフル銃や短銃を不法に所持していた43歳の男(人種不詳)が逮捕されています。トランプ大統領を狙ったものとされています。

トランプ大統領の身辺警護をする護衛官の規模は今や史上最大と言われています。訪日際に日本の警察は1万8000人の警察官を動員して警護に当たったというのも頷ける話です。

【シナリオ2】病気説

トランプ氏は大変な偏食家です。好物はマクドナルドのハンバーガーとケンタッキー・フライド・チキンです。こんなものばかりを食べていて、長生きできるはずはありません。

もっと心配なのはメンタル面での健康です。

17年10月初旬には、ハーバード大学の精神科教授ら27人の精神科医たちが、トランプ氏の「診断報告」を公表しました。それによると、トランプ氏は「自己陶酔・人格障害・非社会化型行為障害・悪性ナルシシズム」だというのです。

これは直接診断した結果ではありませんが、同氏に関する可能な限りのデータを集めて精神科医たちが「診断」したもので、相応の信頼度があると考えられます。