子どもが私立合格で養育費年100万増

「別れた元妻から、『子どもが私立中学に合格したので』と突然連絡があり、入学金や授業料の請求がくるパターンが少なくないのです。元妻は働いていますが、私立の学費を出せるほどではない。こうしたケースは、たいてい元夫は子どもが受験した話は初耳。いわば事前の相談なしで、当初は当惑し憤慨するのですが、今は離れて生活しているとはいえ血のつながった“わが子”をがっかりさせたくないと、ふだん払っている月数万円の養育費に加えて年間約100万円ずつ元妻に払うことを渋々承諾するのです。中高一貫校なら6年間(計約600万円)、さらに大学も私立となれば、かなりの出費となるのは確実です」

元妻への愛はないが、子どもは愛している。その子どもを“人質”にしてはいけない。そんな気持ちが元夫側にはあるようだ。

露木さんによれば、元妻に払う追加のお金を捻出するため、元夫が週末に本業とは別のアルバイトをしたり、自分の両親に金銭的サポートをしてもらったり、最悪の場合、消費者金融で借りたりすることもあるという。

「性格の合わない妻と1日でも早く別れたい」「(自分の)不倫がバレた」など、元夫側の都合や事情で離婚に至ったケースはさらに金がかかる。

「元夫の都合が離婚の主因なので、元妻側に恩恵を与えるため、住宅ローンを払ってきたマンションにそのまま元妻と子どもが住み、自分は賃貸住宅を新たに契約して住むパターンがよくあります。自分名義の物件で自分は住まないのに、ローンを払い続ける。その代わり、養育費は払わないこともありますが、元妻に“居座られる”状態。この場合、元夫は『子どもが社会人になったら元妻は出ていく』といった取り決めを書面化する必要があります」(露木さん)

自分の“都合”による離婚とはいえ、そうした事態を招くことを避けたいと家を思い切って売却する場合もある。

「今、東京など都市部では郊外を含め地価上昇などの影響もあり、不動産が相場より高く売れる傾向があります。だから残ったローン額以上で売れることもありますが、当初の頭金が少なければ赤字になることも覚悟しなければなりません」(同)

となれば養育費に加え、売却済みマンションの残債を払わなければならなくなるのだ。

露木幸彦
1980年生まれ。行政書士、ファイナンシャルプランナー。離婚サポーター、男女問題専門家としてウェブで連載多数。著書に『男のための最強離婚術』など。