「周りに人が大勢いようが、画面に向き合っているのは自分だけ。独りの時間って、自分の本性、素の部分が出やすいんです。SNSは普段より自分のキャラクターが露見しやすい場所だと肝に銘じておいたほうがいいですね。私はよく講演会で言うのですが、炎上発言を防止するために、投稿する前に『玄関に貼れる内容かどうか』を考えてみるといい。玄関に『○○は死ねばいい』なんて貼らないですよね。玄関に貼れない内容なら書き込まない。これだけで炎上発言防止になります」

では、うっかり火種となる発言をし、炎上してしまった場合はどうするか。

「基本は“消さないこと”です。TwitterやFacebookなどで、つい本音を言って炎上してしまった場合、多くの人はその発言を消そうとします。しかし、ネットに書き込んだ以上、なかったことにするのは至難のワザ。複数の場所に転送されたら追うのは不可能ですから。また、発言を消すことで『逃げた』と思われたら、ますます攻撃されてしまいます。ですから炎上しても発言を消さず、そのまま残しておくのが鉄則です。そのうえで、自分の発言が誰かを不快にしたことに対し、謝罪をします」

さらに、炎上を止めるための秘策がある。それは「感謝」だ。

「激しく罵られても、“お陰で勉強できた。ありがとう”と感謝することで、それ以上炎上する可能性が下がります。これはクレーム対応と同じ考え方で、たとえば、クレームへの対処内容が、クレーマーから見た“予想の範囲内”の場合、当人はさほど満足しません。対処としては60点でしょう。炎上での“すみません”も、対処としては予想の範囲内。だからもっと攻撃したくなる。しかし、“ありがとう”は想定外ですから、それ以上、言われにくいんです」

過激な意見でなくとも、他人を不快にさせる投稿はほかにもある。たとえば、会社に所属しているにもかかわらず、組織の見解と違うことを発言するのは避けるべき。

「個人的なSNS上の発言でも、組織に属している以上、組織としての発言と受け止められます」

勤務先を記載していなくとも同様だ。露見すれば社内の立場も悪くなる。