ネットは刻々と変わる、ゆえに誰もが1年生

何気ない個人の投稿から、従業員の不祥事まで――ネット上の「炎上」に関するタネは尽きない。最近では「ネット炎上保険」を販売する保険会社も出現した。なぜこれほどまでに炎上は起きるのか? そして炎上を防ぐためにはどうすればいいのか?

「“普通の人”がインターネットを使い始めてから約20年。使い方に関して一定の基準も生まれ、法的な整備もされ始めたように思えます。しかし、技術は日進月歩。常に新しいものが生まれ、新しい価値観がつくられています。つまり『私たちは今でもネット1年生』なんです。その感覚を持ち、常識だと思っていることも常に見直さない限り、ネットの過ちは起きてしまいます

こう説くのは『11歳からの正しく怖がるインターネット』の著者でグリーの安心・安全チームマネージャーの小木曽健氏。最近はスマホユーザーが増え、さらに増加傾向にある炎上だが、むやみに恐れる必要はないという。

「炎上を見て『みんな怒っている』と考えるのは早計です。たとえ1000人が『ふざけるな!』と怒りのコメントをしたとしても、なんとも思っていない1万人は、何も行動しないからです。“サイレント・マジョリティ”という言葉もあるように、わざわざ投稿するほど怒っているのはごく一部で、大多数は“どうでもいい”と思っているケースも多いんですよ」

だからといって炎上は好ましくないし、実際に炎上が始まってしまえば、コントロールはかなり難しい。思わぬ不利益を被るケースもあるだろう。

炎上のタネには大きく分けて2つのパターンがあるという。ひとつは明確な法令違反。「線路に入って写真を撮る」など、法的な問題があることを武勇伝のように語れば炎上は必至だ。

「その場合はペナルティを受け、真摯に謝罪するしかありません」

2番目は「意見の相違」。特に思想や政治、宗教、ジェンダーの話題は反感を買いやすく、炎上しやすいという。「身近なところでは、子育てに関する発言も反感を買いやすいですね」

確かに「完全母乳がいい」などとSNSで発言し、炎上した例は多い。

「対面なら、思っていることがあっても、場や相手の心情を考えて発言します。たとえばパーティーなど初対面の人が多い場で、いきなり子育て論なんて発言しませんよね。ネットでも同様です。本来、ネットに書き込んでも大丈夫な内容って、こうした大人の社交場で話せるレベルのものなんです」

ネットへの投稿はたいてい自分独りでおこなうもの。このことも“炎上発言”を助長させる原因だという。