都合の押しつけは「互恵」関係失う

産経社説も日米間の経済問題を取り上げ、「経済関係では、両首脳間の問題意識の隔たりも目立った」と書き、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を挙げて次のように論を展開する。

「TPPを否定し、2国間交渉に重きを置くトランプ氏の姿勢に変化はなかった。国境を越えて結びつく経済の実態を無視し、貿易収支を損得で捉える。さらに米国は他国から不当な扱いを受けていると断じる。そうした主張をトランプ氏が急に改めることはあるまい。ただ、一方的に自国の都合を押しつけるなら『互恵的』な日米関係は築けない」

この点については、産経社説の指摘通りだろう。

朝鮮半島有事のリスクを示せ

毎日社説は北朝鮮問題について、「圧力の先にどんな解決策を描いているのか示されただろうか」と提示し、こう筆を進める。

「米国防総省は北朝鮮のすべての核施設を制圧するには地上部隊による侵攻しかないという軍事的な想定を議会側に伝えている。その場合、北朝鮮からの生物兵器や化学兵器を含めた反撃の可能性もあるという。軍事衝突は絶対に避けなければならない」

軍事衝突が生じた場合、日本は確実に大きな被害を受ける。安倍首相はそこをどう考えているのか。毎日社説は「首相は記者会見で『だれも紛争を望んでいない』と言うだけ」と書いているが、安倍首相が本当にこれ以上のことを考えていないとすれば実に情けない話である。

日米両政府間では、朝鮮半島有事を想定した議論が行われているはずだ。軍事機密を含むとしても、「どの程度のリスクがあるのか」(毎日社説)は国民に示すべきではないだろうか。

その本質は「即興的」で「大局観が欠如」

最後に東京社説を取り上げよう。後半でこう論じている。

「ISが事実上崩壊し、トランプ政権がアジア重視政策にエネルギーを傾注しやすくなった。ところが、トランプ氏のイラン敵視姿勢は、これを台無しにしかねない。イランとの間の摩擦をいたずらに高め、地域情勢を緊迫化させるだけだ」

やはりトランプ氏にはバランス感覚が欠けていると思う。好き嫌いが激しく、相手の気持ちになって物事を考えることができないのだろう。国際会議の席順を決めるときにも、自分の好きな安倍首相の隣に座るのでなければ出席しない、と周辺を困らせたことがあると聞く。

東京社説は「化学兵器を使ったシリアへのミサイル攻撃のように、トランプ外交は多分に即興的であり、一貫性や大局観を持ち合わせていない」と指摘する。

即興的で、大局観が欠如している。東京社説が指摘するとおり、このあたりがトランプ氏の本質なのだろう。