自分の反対の意見を持つ記事を読むべし

(2)ネットにはマスメディアが報道しない「地味」だが「貴重」な情報がある一方、フェイクや偏ったコンテンツがあるので出典元や発信者について裏取りする

個人のブログやフェイスブックに代表されるSNSの投稿の中には、専門家が書く有益な情報がある反面、デマや偏見、やらせといったコンテンツも存在する。SNSには「シェア」という便利な機能があるため、誤った情報やデマを友人が拡散させたことで、妄信してしまう事態も起こる。SNSで個人が発信している情報については必ず裏取りし、発信者が信頼に足る人かどうかを調べて利用する。

フェイスブックでは「いいね」を押した情報によって、自分が好む情報が主に掲示されるようになるため、多様な見方を必要とする人は、あえて自分とは反対の意見を持つ書き手のコンテンツも見ておくことも必要だ。

ネット検索する際に注意したいのは、医学情報サイトに代表される「まとめサイト」だ。「まとめサイト」は検索すると上位に掲載されるように、サイトやコンテンツ内に検索キーワードが仕込まれている(SEO対策)ため、つい閲覧してしまう人が多い。「まとめサイト」の記事の中にはとんでもない情報があるが、そうしたコンテンツが溢れる理由は「編集」や「校閲」の過程を経ていないためだ。他者のコンテンツからの無断引用やでたらめな記事を掲載して問題を起こし、多くの「まとめサイト」が閉鎖されたことは記憶に新しい。

「まとめサイト」の多くはページビューを伸ばして広告収入を増やすことを目的に制作されており、広告収入やアフィリエイトを使ったビジネスモデルであることを踏まえておきたい。閲覧者を増やすために意図的に他者を誹謗する記事を載せるサイトも存在し、こうしたメディアはジャーナリズムではないことを知っておこう。

(3)官公庁の統計・調査データを検索して活用する

有益な統計データや調査データが必要になった際は、官公庁が実施した統計・調査を閲覧するのが最適だ。検索エンジンで探す方法もあるが、「e-Stats」とその活用術を読めば、目的にあったレポートを効率よく見つけることができる。

「e-Stats」(政府統計の総合窓口) http://www.e-stat.go.jp/

また、国や民間企業などが提供している主要な統計データをグラフや図表などに加工して一覧表示し、視覚的にわかりやすく、簡単に利用できる形で提供するシステムが統計ダッシュボードだ。従来、調査データはダウンロードして、見やすいように自身で加工する必要があった。だが統計ダッシュボードは政府の大規模調査の結果をわかりやすくビジュアルに表示させることができ、この仕組みを一体化させブラウザ上で閲覧できるようになっている。

「統計ダッシュボード」 http://data.e-stat.go.jp/dashboard/
「統計ダッシュボードの使い方」 http://data.e-stat.go.jp/dashboard/static/whatIs/