開発プランを一緒に作成しよう

部下と一緒にキャリア目標を特定した後は、彼が到達するために習得する必要のあるスキルや上司である自分が与えられる支援を話そう。

スターリン・コンサルティング・グループ(カリフォルニア州ソーサリート)の社長で、『Watercooler Wisdome: How Smart People Prosper in the Face of Conflict, Pressure, and Change』(2006)の共著者、カレン・リーランドは、次のような例を紹介する。財務部長が優秀な部下の1人と話し合いを重ねるうちに、その部下が他の人々と協力することを好み、訓練を受けることに関心を持っていることに気づいた。そこで、その部下と一緒に、彼が実地訓練を受けられるポジションに移るためにはどのようなスキルを習得する必要があるかを書き出して、それらを習得するための詳細なプランを作成した。

スキルを開発する方法のほとんどは、実地の訓練を必要とする。カイエは、プレゼンテーション・スキルに改善の余地があった社員の例を紹介する。彼の上司は彼にベンダー・グループにプレゼンテーションする任務を与えた後、1人の同僚に彼の準備を手助けしてやってくれと頼んだ。「その1回の経験が、優れたプレゼンテーションをするためには何が必要なのかを、彼がそれまでにやっていたどんなことよりも明確に彼に理解させた」と、カイエは語る。

プランを作成した後も、話し合いを続けよう。シアトルに本社がある、プロフェッショナル・リーダーシップ・リザルツの創立者、リビー・ワグナーは、キャリアに焦点を当てた話し合いを月に1、2回行うようアドバイスする。業績評価のときには、それは「2人でずっと話し合ってきたことをまとめる場にするべきだ」と彼女は言う。

前回までの内容を踏まえて話し合えるようにするために、メモをとって、定期的に見直すようにしようと、デロイト・リサーチの組織効率担当責任者、ロビン・エイシーはアドバイスする。これによって優秀な部下に関心を持っていることを知らせることができる。

率直かつ具体的に説明する

話し合いは、ときに不愉快な内容を伴うことがある。たとえば、上司が部下の弱点を指摘するときなどだ。終始一貫、焦点を絞った前向きな話し合いにするために、部下の弱点が本人に不利に働いた具体例を挙げ、特定のスキルを習得することで得られるメリットを強調しよう。

アプライド・リサーチのサリバンは、次のような例を挙げる。優れた成果を挙げているのに、会議でしょっちゅう人の話に割って入るため昇進できないでいる社員がいた。彼の上司は、キャリアについての話し合いで、彼が人の話に割って入ったことが、彼の意見に賛成するつもりだった同僚からどのような反発を招いたかを詳しく説明した。率直に話すことで、その上司は彼に、自分の行動がどのように自分の足を引っ張っているか理解させることができた。

(翻訳=ディプロマット)