毎日は「疑惑はますます深まった」

毎日新聞の社説も11月1日付けでロシアゲートを取り上げている。

見出しが「疑惑はますます深まった」だ。東京社説同様、納得できる指摘である。

「米大統領選をめぐる『ロシアゲート』で初めての起訴である」と書き出し、「モラー特別検察官が最初に大物の元選対本部長を訴追したのは、疑惑解明に対する自信の表れだろうか」と書く。

その社説の中盤で東京社説と同じく、トランプ氏の言い分を取り上げ、それに反論している。

「トランプ大統領はツイッターを通じ、起訴内容はマナフォート氏が陣営に参加する前のことだと語った。確かに同氏がヤヌコビッチ氏の代理人として活動したのは2015年まででトランプ選対入りの前である」
「だが、疑惑は多岐に及ぶ。例えばマナフォート氏は昨年6月、クリントン元国務長官(民主党の大統領選候補者)に不利な情報を求めてロシア人弁護士と会談し、トランプ氏の長男や娘婿のクシュナー氏(現上級顧問)も同席したとされる」

アメリカのジャーナリズムに期待したい

そのうえで毎日社説は「ではロシアの『選挙介入』にトランプ陣営の関与はなかったか。そこが疑惑の焦点である」と指摘し、疑惑に対し論を展開していく。

「31ページの起訴状にはトランプ氏自身の不適切な行為に関する記述はない。だが、捜査は始まったばかりだ。大統領辞任に発展した1970年代のウォーターゲート事件も、ありふれた住居侵入が発端だった」

なるほど、あのウォーターゲート事件か。2人のワシントン・ポストの敏腕記者とディープスロート(内部告発者)の存在。映画にもなった。新聞記者による調査報道の原点でもある。

今後、アメリカのジャーナリストがどこまでこのロシアゲートを掘り下げることができるか。独自の取材によって、隠れた事実を公にできるか。沙鴎一歩はアメリカのジャーナリズムに期待している。