独自の死生観を描いた銅版画「四十九日」で注目を集めた現代アーティストと、国際フェスティバルで「世界6人のソリスト」に選ばれたピアニスト。20代の頃から世界の第一線で活躍する気鋭の2人に、友人関係の育み方について聞きました――。
(左)小松美羽さん(右)武村八重子さん

分野を超えた友人関係

Q まずは、お二人の出会いについて教えてください。

【小松】2010年だったと思います。私の個展と八重子さんのコンサートが隣の会場で開催されていて、八重子さんが本番前に見に来てくださったんです。

【武村】共通の知人から隣でやっているのを聞いていて、見てみたいなあって。リハーサルの後、本番まで、できるだけリラックスしたいから見に行ったのに、ものすごいパワー系の絵……というかオドロオドロしい絵だったから衝撃を受けて(笑)。出てきたのが美女だったからそのギャップにまた驚いて。

【小松】いやいやいや(笑)。でも、ものすごく作品に興味を持ってくださって、それが本当にうれしかったですね。

【武村】心の琴線に響くものがあって、興味深くて質問攻めにしちゃいましたね。「これは何をイメージしているのか」「この神獣はどこにすんでいるのか」って。

【小松】絵って、時間をかけて描いても興味がないと1秒も見てもらえない。だから、興味を持ってもらえただけでもうれしかったのに、そんなにグイグイ聞いてもらえることってあまりないので、本当にいい人だなあって。私もその日、八重子さんのピアノを聴きに行って、そこからの関係です。