思いをくむ女とそれに気づかない男

その後、苦難を抱えながらも、それを楽しんで生きられる極意のようなものを得たと感じ、悩みを抱える女性たちにも、より良く生きるためのコツを伝えたいと立ち上げたのが「女塾」。そこでは自分との向き合い方を学びます。

たいがいの女性は相手を主体に考えがちですが、自分の人生の主人は自分であり、そこを間違えると男性との関係もうまくいかなくなります。女性は共感力が高く、男性の思いをくんで一生懸命やってしまう。でも、男性はそこまで気づかない。結果すれ違うんですね。男性と女性は別の生き物。

でも、私は男性ほど女性の幸せを願ってくれる存在はいないと思います。私の場合、よく驚かれるのですが、離婚した夫と再婚した夫はとても仲良くつき合い、子どもたちの成長のため、話し合ったりもしていました。夫が亡くなった時の葬儀を仕切ってくれたのもかつての夫でした。

彼には現在パートナーがいますが、今なお、私の幸せを願ってくれているのがわかります。

男は替えていい。なぜなら人は成長する生き物だから。いつか互いが合わないと感じることがあるのは当然です。でも、だからこそ、別れ方を大切にしてほしい。一度は一緒にいたいと思った人ならばこそ、その人の幸せを願える度量を持ってほしいのです。私はかつてつき合った男性すべてといつでも連絡が取れますし、その人たちの幸せを願い続けています。彼らもそうだと思います。そうした別れ方ができるなら、あなたは何を選択してもよいのだと思います。あなたの人生はあなたが主人。あなた自身のものなのですから。

雑誌「プレジデント ウーマン12月号」の特集「しない習慣」では、田渕さんのほか、男に頼らない、産まない、安定にしがみつかないという決断で、自分主体の生き方を手に入れた女性10人のインタビューを掲載しています。ぜひご覧ください。
▼もっと知りたい人は……
『女塾』主婦と生活社
「自分自身と出会い、深く知り、無条件に愛する」――その重要性とノウハウを、塾長である田渕久美子さんが直接伝えるセミナーや講演を開催している。