よい仕事をしている人ほど、ゆったりした自由な空気を漂わせている。脳科学者の茂木健一郎さんはそういいます。なかでも作詞家の秋元康さんは「夏休みの小学生のような余裕の表情をしている」というのです。なぜか。茂木さんは「だから創造性を発揮できるのだ」といいます。雑誌「プレジデント」の連載「世界一の発想法」からご紹介します――。

仕事でいっぱいのはずなのに……

これまで、さまざまなクリエーターの方とお目にかかってきた。振り返ると、いくつかの共通点があるように思う。

(AFLO=写真)

強く印象に残ることの1つは、よい仕事をされているクリエーターの方ほど、その人のまわりに、ゆったりとした、自由な空気が漂っているということだ。そう、まるで、夏休みの小学生のように。しかも、宿題や習い事に追われていない、自由でのんびりした小学生である。最近では「絶滅危惧種」のようだが。

歌手、作詞家、作家、マンガ家、美術家。さまざまな分野でクリエーティブな方々が、「ゆるい」空気で佇み、人に向き合い、談笑されるのを見てきた。考えてみれば、これは、凄いことだと思う。

例えば、松任谷由実さん。お目にかかってお話しするたびに、心の底からゆったりとされているなあ、と思う。あるいは、秋元康さん。部屋にさーっと入ってこられて、ニコニコと笑っている。

本当は、忙しいのに決まっているのである。スケジュールに追われたり、決めなくてはいけないこともたくさんあったり、頭の中は仕事でいっぱいのはずなのである。