また、(3)については、地上波のテレビでのプロ野球中継が減少しているのは確かであるが、他方で、ケーブルテレビや衛星放送等でプロ野球中継を楽しむ視聴者が増えていることを忘れてはならない。各球団へのロイヤルティ(忠誠心)の高いファンがプロ野球中継を有料放送で見る時代へ、着実に移行しつつあるのが、現状である。巨人を除く11球団の場合には、ファンが応援するチームの試合をテレビで見る機会は、最近になって、むしろ増大したといえる。

さらに、(4)については、最近、パ・リーグを中心にして、地域密着型のビジネスモデルによる経営努力が成果をあげ、なかには黒字転換する球団が出始めたことを見落としてはならない。その結果、08年時点で、かつてのように慢性的な赤字経営にとどまっている球団は、全体の半数前後にまで減少した。

原点に立ち返れば「大リーグなんてこわくない」

ここまで述べてきたような諸事実をふまえると、日本のプロ野球にとって本当に脅威であるのは、(2)の要因だということになる。確かに、大リーグは恐ろしい。しかし、ここで強調しておきたいのは、野球は個人競技ではなくあくまで団体競技であり、プロ野球における最重要事項はあくまでチームの勝敗、ペナントレースの帰趨だということである。つまり、原点に立ち返り、団体競技としての野球の試合の面白さや、ペナントレースの醍醐味を発信することができれば、日本のプロ野球は活路を見出すことができる。

野球が個人プレーではなく、チームプレーで営まれるスポーツである限り、個々の日本人大リーガーの動向より、日本のプロ野球チームの動向のほうが、ファンの関心をひきつけることができるはずである。大リーグへの「人材流出」は続いても、日本のプロ野球の試合そのものが盛り上がり、ペナントレースが白熱する限り、「大リーグなんてこわくない」のである。