今やっていることが何を意味するのか、はっきり伝えよう

部下の不安を和らげ、その抵抗を突き破って彼らの希望と熱烈な支持を引き出す方法として、ダックは次の案を示している。

マネジャーにできる最も効果的な策は、「現在起きていることを解釈し、それが部下にとって何を意味するかを明確かつ具体的な言葉で説明する」ことだ。

一例を挙げよう。ダックが昨年コンサルティングしたある保険会社は、市場が縮小するなかで競争力維持のためにコストを抑制しようとしていた。その会社の一進一退の業績や保険業界全体の不振についてメディアが盛んに報じていたため、社員は希望を失いはじめていた。

不安が高まるなか、ダックはその会社の管理職に、報じられていることが社員にとって何を意味するのかを説明することで張り詰めた空気を和らげるようアドバイスした。管理職たちは社員に次のように説明した。「市場の変化が激しすぎるため未来を予測することはできない。経費削減の必要が出てくるのは確かだが、人員削減は行わない」。

今後の計画を明確な言葉で説明することに加えて、変革構想の進展に伴い、最新情報をどのような方法で社員に知らせるかということも伝えよう。毎週、特別会議を開くのか、それとも毎週、電子メールを送るのかといったことを説明するわけだ。

ダックはアドバイスする。「自分たちのリーダーは変革に積極的に参加しており、しかも自分が何をしているのかをちゃんとわかっている。それに、自分たちにどのような行動変化が求められるのかを明確に示してくれるはずだという安心感を、社員に与える必要がある」。

あらゆる機会を利用して、部下に影響を及ぼすことになる決定の根拠を説明しよう。不確実さを減らし、理解を深めるチャンスに気づいたら、必ず生かしていただきたい。不確実さは不安をかきたて、理解は不安を鎮めるのだから。