交友関係は折々で変化していくもの

35歳を過ぎた人であれば分かるかと思うが、非常に貴重なもの、特別なものだと感じていた高校・大学時代の友人であっても、30歳を超えてしまえばそれほど大事な存在ではなくなっていることが多い。どう考えても自分の配偶者、子ども、会社の上司、同僚、取引先のクソオヤジとの人間関係のほうが、いまの自分の生活と密接に関係しているし、重視せざるを得ないのである。なかには親が要介護になり、面倒をみることに多大な時間と労力を割かなければならない人もいるだろう。

正直、社会人にとって「友人」に割く時間はかなり限られてしまうのだ。それはあなただけでなく、あなたの友人にとってもそうなのである。学生時代の友人となかなか会わなくなり、さらにはメールの返事も返ってこなくなった……。一瞬、寂寥感を覚えるかもしれないが、それは友人もあなたも成長した、ということを意味している。それもまたよし。人間関係というものはその時々で変わっていくものであり、一回「貴重なもの」認定したからといって、それを一生引きずる必要はない。

これは、いま小中学校で過ごしている子どもたちにも当てはまる。親は「長い人生で、交友関係は変わっていくもの」と理解しているのだろうが、ならばなぜ、そのことをきちんと子どもにも教えないのか。わが子に対し「小中学校の人間関係──とくにあなたを卑しめたり、危害を加えたりする人間なんて、大事でも何でもない。むしろ、あなたのほうから無視してやれ。もしつねられたら、つねられなくなるまでつねり返してやれ」と教育すればいい。なんだったら空手や柔道でも習わせ、いじめに遭ったときには逆に正拳突きや大外刈りでも食らわせてやればいいのだ。相手はビビッて、あなたの子どもをもういじめなくなるかもしれない。

反撃してもいいし、逃げてもいい

「小さい時期に、そんな殺伐とした人間関係の一面を教えてしまったら、将来どんな子になるか……」などと心配になるかもしれないが、気にすることはない。むしろ、いじめられた経験のほうが、将来によほど悪影響をもたらす。親は自分の子どもに「あなたを不幸せにする連中は、人生に不要な連中なので、まったく大事にする必要はない。なにがあろうと、私はあなたのことを徹底的に守るし、全面的な愛情をもって接する。だから、大丈夫」と自信を持って宣言すればいい。

いじめられた体験は、一生のトラウマになるもの。だが、いじめた体験は、案外忘れてしまう。それならば、「孤立したとしても、いじめてきた相手には容赦なく反撃する。一対多でも意に介さず、いじめをしてきたクソガキたちをいじめ返す」くらいの行動に出て、周囲から敬遠されるくらいの人間になったほうがいい。それができなければ、学校から逃げたって構わない。