エイカレサミットに来場した管理職にその場でアンケートを取ったところ、彼らからも「管理職が実態をわかっていないだけでは」という反応がありました。

なぜ、上司は子育てとの両立を難しいと思わないのか?(上司の回答)
(1)実態をよく理解していないから……16ポイント
●実情がわからず、軽く大丈夫だと思っている
●当事者意識がない
●部下を見ていない など

(2)子育ての大変さがわかっていないから……16ポイント
●実際に子育てをあまりしていない
●母親の苦労を理解していない
●子育てのイメージが足りない など

(3)組織でサポートすると考えているから……7ポイント
●周囲がサポートする
●チームで対応する体制になっている など

上司がすてきに見えるかが、部下の将来を左右する!?

時間の次に大きい要因だったのは、管理職がどのように見えているかです。これは男女ともに、「管理職がやりがいがあるように見える」ほど「続けたい」「管理職になりたい」と強い相関が出ています。これはある意味で当たり前かもしれませんが、管理職がすてきに見えることが部下にとって大事ということでしょう。

2月に開催されたエイカレサミットには、営業女性たちの上司も参加し、熱心に考え込む姿も。

また、上司から期待されていると感じるか、ということも、女性にとってのほうが継続や昇進意欲を上げるうえで大事でした。それにもかかわらず、女性は、上司から期待の言葉をかけてもらっているとはあまり思えていないし、心から期待されているとも思えていない。その背景として、上司に「難易度の高い仕事を女性部下に/男性部下に任せていますか」という質問をすると、男性部下により多く振っているという回答になっています。

これに加え昨今、「無意識の偏見」というキーワードが取りざたされており、無意識のうちに男性にばかり責任の重い仕事を任せているということも起こっている可能性があります。こういうところから、女性は期待されていないと感じていると考えられます。

どのような上司が男女差をつけているかというと、「女性営業は顧客に敬遠されている」「管理職は家庭を犠牲にしなければならない」などの観念が強い上司だというデータも出ています。

仕事以外の時間が大きな価値になる

顧客から女性/男性が歓迎されていると思うかについては女性のほうが大きく影響するということがわかりました。

一方、男性だけに影響する要因もあり、転勤や接待などの重要性を感じている男性ほど営業を続けたい、管理職になりたいと思っていることがわかりました。男性は既存の方法を受容していると思われます。

これらの調査から見えてきたことは、1つはやはり営業女性の活躍には時間の観念を乗り越える必要があるということ。もう1つは、上司と女性部下の認識ギャップをいかに埋めていくかということだと思います。このエイカレサミットでは、これらの問題について解決の糸口となりそうな事例が報告されました。

「長時間労働をしなくても大丈夫」と思える働き方や枠組みは、営業女性の活躍に必須です。それに加え、仕事をしている以外の時間での家庭、地域などでの経験や視点がむしろ価値になるという事例がいくつも出てきて、これからの営業女性の活躍に大きな可能性を感じました。

撮影=新世代エイジョカレッジ実行委員会