▼失われた生産力はTTEのマネジメントで取り戻せる

「時間(Time)」の損出の最小化、「人材(Talent)」の最適配置と「意欲(Energy)」の発奮によるアップサイド効果により、組織の生産力を高めることができるのである。

われわれの調査から見えてきた日本企業の課題をあげれば、以下のようになる。

◆時間(TIME) グローバル企業と比べて日本企業は「大企業病による複雑な組織構造による非効率と、意思決定のプロセス、ツールの欠如」からくる時間のロスが顕著である。「働き方改革」で見かけの労働時間を減らすだけでは根本的な解決はできない。

◆人材(TALENT)グローバル企業とくらべてAクラス人材を特定して活かすための戦略が弱く、最適な人材配置ができていない。チーム編成などは能力に関係なく適当に行われていて、企業の中長期戦略と連動して考えられていない。

◆意欲 (ENERGY)日本企業はやる気のある社員、当事者意識のある社員の割合はグローバル企業より「やや劣る」程度だが、不満層が多いために会社全体の志気が下がっている。

組織のマネジメントによって失われた生産力を回復し、生産性を底上げするためには何に取り組めばよいのか。本連載では、そのための知見をまとめた『TIME TALENT ENERGY 組織の生産性を最大化するマネジメント』(プレジデント社、10月17日刊行予定)に沿って、とくに日本企業向けの提案を行っていく。第2回では時間を、第3回は人材、最終回は「意欲」について取り上げる。

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