現在、既存店売上高が30カ月連続増収となった「餃子の王将」では朝礼をやるかやらないかは店長の判断となっている。だが、ほぼ全店舗で朝礼を実施。仙台1号店の朝礼は毎日、開店30分前の午前11時から行われる。内容はシンプルで、10分以内で終わる。

・挨拶と伝達事項
・クレームをどう考え、解決するか
・王将五訓、接客七大用語、王将十訓の唱和

司会は店長の小平和則。朝礼のなかで、彼が力を入れているのが「客のクレームをどう解決するか」である。

「カウンターにいた客が注文した料理が出てこなかった。それに対して従業員が『早く料理を出します』と謝罪したけれど、怒った客は帰っていった」

小平は朝礼に出席した全員に、「なぜ起きたか、どうすれば解決できる」と問いかけた。従業員から声は出ない。

小平は話し始めた。

オープン以来、行列が絶えない仙台の一番町店。専門の警備員も出動して整理にあたった。
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オープン以来、行列が絶えない仙台の一番町店。専門の警備員も出動して整理にあたった。

「お客さまのオーダーが調理場まで届いていなかった。それがミスの根本だ。しかし、人間がやっていることだから、伝達ミスは必ず起こる。問題はお客さまが帰ってしまったことにある。なぜ帰ったかといえば、お客さまのクレームに気づくのが遅かったからです。それでお客さまは怒った……。ホールの人間、調理場の人間、どちらも、今日からはお客さまの頭をよく見てください。食べている人の頭は上下に動く。それに対して、店員を探すときは頭が左右に動く。頭を左右に動かしているお客さまがいたら、必ず、ひと声かける。それでミスはなくなります」