後任は「フー・イズ・大島」

今回の人事の問題点は「山尾幹事長」をめぐるドタバタだけではない。後任に大島氏を選んだことも、中長期的にみれば大問題に発展する可能性がある。

自らが「フー・イズ・大島」と語る通り、知名度はない。当選6回、60歳と、同党ではベテランの域に達しているが目立ったポストについた経験もない。今回、彼が幹事長に選ばれた最大の理由は、昨年、今年と2度の代表選で前原氏の選対本部長を務めたことに尽きる。つまり論功行賞人事なのだ。

論功行賞といえば2002年のことを思い出す。民主党代表選で3選を決めた鳩山由紀夫氏は、中野寛成氏を幹事長に起用した。非主流派は、中野氏が代表選で鳩山氏を支援していた論功で幹事長に抜てきした、と批判。ところが当事者の中野氏は危機意識が薄く「論功行賞より、論より証拠」「中野未完成(寛成)です」という自虐駄じゃれを連発。批判はさらに高まっていった。

「自虐駄じゃれ」にみる危機感の薄さ

中野氏が14年前に飛ばした自虐駄じゃれは、今回大島氏が口にする「フー・イズ・大島」に通じる軽さを感じる人は少なくないだろう。今はまだ、山尾氏のスキャンダルが注目されているので大島氏への風当たりは、さほどでもない。しかし早晩、大島氏に対する批判が高まることも想像に難くない。

02年は10月に衆参7つの選挙区行われた補選で民主党は1勝しかできなかった。にもかかわらず中野氏は「(今回は)勝者なき選挙だった」と能天気な発言をし、批判が収まらなくなり、結局鳩山氏は同年暮れ、代表を退いた。ことしも10月22日に、衆院3補選がある。その結果しだいでは15年前の悲劇が再現する可能性さえちらつく。

この政党は、幹事長の人事でつまずくことが「お家芸」でもある。最近で言えば、昨年、代表の蓮舫氏は野田佳彦元首相を幹事長に指名。野田氏は蓮舫氏の兄貴分で党内の信望もあるが、なんといっても2012年、首相の時に衆院解散を断行して惨敗、多くの仲間を失った印象は強い。政権を失った「A級戦犯」の幹事長起用に党内外で疑問の声が上がり、蓮舫・民進党は浮上する機会を失った。