スローガンは「笑顔日本一のホテル」

――昨年末、最上級クラブフロア「プレミアグラン」をオープン。狙いは?

【山本】東京のシティホテル競争が激しさを増すなかで、「プレミアグラン」によって、京王プラザホテルのプレステージを上げていきたい。客室単価アップという狙いもある。高層階を客室に充て、地上160メートルにある45階に専用のクラブラウンジを設けた。東京の大パノラマが展望できる、日本一のファシリティだと自負している。ここに常駐するコンシェルジュが、お客様が希望される「理想の東京滞在」をプロデュースする。その魅力を、これから浸透させていく。

――ほかの戦略は?

【山本】「プレミアグラン」に限らず、ホテル全体のホスピタリティの質を向上させていきたい。昨年6月に社長に就任したとき、「笑顔日本一のホテル」というスローガンを掲げた。笑顔でいれば、自然とお客様との会話が弾み、たとえば「こんなレストランにいきたい」「今日は娘の誕生日」といったお客様の情報・ニーズを聞き出すことができる。それをもとに万全の対応をする。「笑顔のおもてなし」によって、格式重視の一流シティホテルとの差別化を図っていく。

――2020年東京オリンピック後の反動にどう備えるか?

【山本】20年に一つの山を迎えるのは確かだろう。リーマンショック、東日本大震災を経験し、変化に弾力的に対応できる組織をつくってきた。それを基盤に、「プレミアグラン」による効果と、これまでやってきた施策をさらに積み上げることで、開業50周年を迎える21年以降も成長を持続したい。

京王プラザホテル社長 山本 護(やまもと・まもる)
1957年、東京都生まれ。79年慶應義塾大学卒業後、京王帝都電鉄(現・京王電鉄)入社。京王観光、京王百貨店などへの出向を経て、2010年京王電鉄取締役開発企画部長に就任、人事部長を経て、13年常務取締役。15年京王プラザホテル副社長。16年6月より現職。
(文=村上 敬 撮影=太田隆生)
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