まずは「事実」を抜き出したメモをつくる

Q.親が知ったら「すぐに弁護士と相談」が正解か

もし、お子さんがいじめの被害を受けていることに気づいたら、いちばん大事なのは事実関係の把握です。

初日は子供に、いじめの内容を思うままに語らせましょう。「やられたときどんな気持ちだったか」という本人の思いは親として受け止めてやりつつ、「事実」の部分だけを抜き出して簡潔なメモを作ります。

翌日は学校を休ませ、お子さんが少し落ち着いたところで、事実関係を改めて確認します。「いつ」「どこで」「だれに」「何を」されたかを、できる範囲で具体的に整理し、リスト化していきます。初日の話と事実関係やニュアンスが変わったときは、随時修正を加えます。

出典:文部科学省国立教育政策研究所「いじめ追跡調査2013-2015」より

事実関係を整理できたら、担任の先生に面談の約束をとり、いじめの状況を口頭で、かいつまんで説明します。びっしり書き込んだ書類を渡すより要点を簡潔に伝えるほうが、学校の先生には効果的だからです。

学校としての対応を考えてほしいと依頼したら、その日はいったん帰りましょう。具体的な対応策をこちらから提示しないのは、学校は自分たちで決めたこと以外は基本的に行わないからです。いきなり父親が出ていくと身構えてしまう先生も多いので、最初の相談はお母様が行くのがおすすめです。

今はすべての公立校、私立でも大半の学校が、各校の「いじめ防止基本方針」を定めており、それに沿っていじめ事案への組織的対応が行われることになっています。公式サイトにアップしている学校も多いので、できれば目を通しておきます。