どうやったらもっと面白くなる?

こうした多くの反応や反響を見ながら、メンバー各自が企画を持ち寄り、ワイワイ自由に意見を出し合い、みんなで判断していく。そんな中で、現在の『レタスクラブ』はつくられているのだ。現在、松田氏が常に心がけているのは、読者の話も、メンバーの話も面白がって聞き、その場でジャッジメントせずに広げていくことだという。

8月25日発売『レタスクラブ』最新号

「特にメンバーの場合、否定すれば、失敗を恐れて思考停止してしまいます。ですから、『それいいね。どうしたらもっと面白くなる? どうすれば実現できる?』と投げかけ、全員に何かを発見してもらうことが大事です。今ではほんの数分で、大喜利のようにいろんな意見が出てきますね。私たちが手がけているのはエンターテインメントですから。楽しい方向に持っていけば、楽しい企画が生まれるものだと思っています」

松田氏の編集長就任からわずか1年強。地道なチーム・ビルディングから始まった改革は実を結び、多様なジャンルを巻き込む発想で読者層を大きく広げた。『レタスクラブ』はもう“主婦向け料理雑誌”ではない。老若男女、既婚、未婚を問わず、家事に携わる全ての人を対象としたコンテンツ作りを目指し、快進撃が続いている。

松田紀子
レタスクラブ編集長。1973年生まれ。タウン誌やリクルート『じゃらん九州』にて編集を経験後、2000年、メディアファクトリー入社。コミックエッセイの編集者、編集長として活躍。KADOKAWAとの合併後の2016年、コミックエッセイ編集課とレタスクラブの編集長を兼任。
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