仮に、体を動かす目的がダイエットだけなら、極端な話“カロリーの入力と出力”をコントロールすれば手っ取り早い。そのうえで、筋トレをすれば筋肉もつく。ただし、腹筋が割れたアスリートが必ずいいパフォーマンスを発揮するかというと、それはまた別の話。見た目は素晴らしくても、やりすぎて体の中がボロボロになったりしては、意味がありません。

大事なのは、フィジカルとメンタルのコンディションを、どう安定させるかということです。例えば糖質制限をしすぎて、イライラしてしまったら、逆にパフォーマンスが落ちてしまう人だっています。どれだけバランスを取りながら、トレーニングをするかが重要なファクターとなるのです。

第一線で活躍されている方を見ていると、酒や夜遊びをまったくしないわけではありません。その後どうリカバリー(回復)して翌日の心身をクリアにするか、とか、どうやって睡眠の質を高めるかを意識しながら、メリハリのある生活をするわけです。遊ぶときは思いっきり遊ぶ、休むときはしっかり休むなど、何もかも意図的にやっているように見えます。睡眠も大体6時間以上は取っています。

これは一流のアスリートも同じ。結果を出す選手は、トレーニング、遊び、休みの時間を計画的に配分し、次のパフォーマンスにつなげる努力を怠りません。反対にイマイチなアスリートは「みんなやっているから、俺もやっておこう」といった体で計画性がありません。そこの突き詰め方は、アスリートもビジネスマンも同じでしょう。

お腹を上にして胃の辺りを意識しつつ、その部分に力を入れながら、両手の指先を垂直に上げた足の爪先にタッチする。

撮影当日に腹筋が割れるグラドル

もう一ついえば、トレーニングをやるからには、持続することが大事。体つきが変わったビフォー・アフターで満足していては意味がありません。歯磨きを3週間怠れば虫歯になるように、筋肉も使わなければ衰えていきます。歯磨きと同じくらい当たり前のことを続ける感覚で、習慣化していかなければならないのです。

続けるには、ある程度の目標を立てることが有効だと思います。例えば、俳優や女優がドラマや映画の役づくりのために、トレーニングを積んで体をつくることがありますよね。期日が決まっている中で、そこに向けてどうやって体をつくっていくかは、ある種の“契約”のようなものです。うちに来ていたあるグラビアアイドルは、撮影当日になると腹筋が割れる。それくらい目的意識は重要です。

ビジネスマンの方も、例えば久しぶりに開かれる同窓会に参加するためにとか、子どもの運動会で無様な姿を見せたくないとか、大きなプレゼンテーションを控えているのでシュッとした見た目でいたいとか、身近でわかりやすい目標を立てることをおすすめします。