なぜ専業主婦の妻は食費に「糸目をつけない」のか?

確認したところ、たしかにLさん宅のご家族は特に「美食家」ではありません。高級食材を使ったり、特別なこだわりを持ったりしているわけでもありません。ただひとつ大事にしていることが、「みんなが食べたいメニューを食べる」ということでした。

「夫は懸命に働いてくれますし、子どもたちも日々をエネルギッシュに生きています。私は主婦として、そんな“男たち”への栄養補給をしっかりやりたい、彼らが食べたいと思うものを食べさせてあげたい、という気持ちがありました」(妻)

というわけで、「食べたいと思ったものは、その日のうちに食べないと気が済まない」という状況だといいます。冷蔵庫にない食材をわざわざ買いに出向くことがよくあり、すしやピザなどのデリバリーサービスやネットスーパーなどもよく利用するそうです。

これらは食費の高い家庭に共通する特徴です。端的に言えば、食べることに関してまったく無計画なのです。ひとつひとつの食材や商品は、高額ではないでしょうが、食べたいものを今食べたいという衝動が強く、「次の機会にしよう」という歯止めが利きません。欲望のままにお金を使ってしまっているのです。このことは食費だけでなく日用品にも同じことが言えました。

▼「今食べたい=今欲しい=今買いたい」歯止めなき消費衝動

そういったお金の使い方・考え方が家計全体に影響していて、全体的に支出が膨らみ、赤字家計になっていたのです。貯蓄は何とか210万円を維持しているものの、子どもの教育費や老後資金、その他のイレギュラーな支出への備えを考慮すると、40代としては心もとない金額です。