×あるあるNG資料

【bad!】大事なことを文字だけで説明している
成田さんが「52日/100日」「144万円/279万円」と数字を丸で囲んだり文字を大きくしたりして強調しているのに対し、こちらはフラットな文字だけ。数字を赤にしたのがせめてもの工夫ですが、素っ気ない印象は拭えません。
【bad!】経費精算作業のうち糊付けのことしかわからない
成田さんの資料では経費精算作業全体のうち、伝票に領収書を貼る「糊(のり)付け」がどれだけの割合を占めるかという「全体と部分」の関係が明白でした。しかしこちらは糊付けのことしか言っていない。もし社内プレゼンなら、間違いなく突っ込まれます。
【bad!】イラストを使うと幼稚な印象になる
文具やパソコンに向かうビジネスパーソンのイラストが使われていますが、このような「かわいい系」のイラストは特に幼稚な印象を与えがち。フリー素材の安っぽさも気になります。ビジュアル要素がほしいなら写真のほうがいいでしょう。

<成田さんの資料づくりのコツ>
▼インフォグラフィックを参考にする
情報を視覚化する手法として海外で盛んに使われている「インフォグラフィック」。スタイリッシュかつわかりやすい情報の見せ方は資料を洗練された雰囲気にしてくれる。「infographics」で画像検索すると、海外のインフォグラフィックの例がたくさん出てくるので、見せ方や色使いの参考に。
▼使わないなんてもったいない!「マスター」機能をフル活用
パワーポイントに備わっているものの、大半の人が使いこなせていない「マスター」機能。あらかじめデザインされたテンプレートのことだが、ある程度見やすくデザインされているので、ゼロからつくり上げるよりも楽。コーポレートカラーなどよく使う色を覚えさせておけば、いちいち指定せずに済む。
▼コーポレートカラー+強調の赤で色味を統一
コンカーではコーポレートカラーを薄い青、紺、緑、オレンジと決めているので、プレゼン資料も基本的にそれらの色を使う。強調したいところには赤を加えるが、ほかの色は極力使わないことでスッキリした資料に。一つの資料のなかでいろいろな強調色を使っては、ポイントがぼやけて混乱のもと。
成田美津子
コンカー マーケティング部。マーケティング活動の状況をモニタリング・分析し、施策提案などを行う。その正確な分析力と的確な提案力が現社から認められ、2015年から現職。
 
前田鎌利
監修プレゼンテーションクリエイター/書家。ソフトバンク在職中、孫正義氏の後継者育成機関の第1期生に選考され1位を獲得。孫氏のプレゼン資料づくりも数多く担当した。著書の『社内プレゼンの資料作成術』シリーズは11万部を超えるベストセラー。
 

編集=福田 彩 撮影=強田美央