ITグローバル要員は日本人だけに限らない。アジアの外国人留学生だけではなく、アメリカ人も採用しているが、北米市場をターゲットとする事業戦略の一環だ。日本語ができることが要件だが、さらにアメリカのカルチャーやマーケットの知識を持った人材を新卒扱いで採用し、人材としてプールしておきたい。中長期的には彼らが生み出した製品をアメリカ市場に出し、彼らがアメリカでオペレーションすることも想定している。

不動産うちも毎年中国籍の留学生を数人採用している。中国を含めた海外の不動産開発の展開という事業戦略もあるが、それ以上に留学生に魅力を感じるのは、中国、インドの学生は非常に目的意識が高いことだ。彼ら、彼女らは日本のマーケットで仕事をしたいというが、根底には日本で活躍し、その後、自国に戻ってナンバーワンになりたいという強い目的意識がある。日本の学生はせいぜい課長になれればいいという程度だ(笑)。

化学外国人も日本の学生と同じルール、目線で選考しているが、外国人枠ではなく優秀であれば積極的に採用していきたい。今は新卒の1割程度だが、個人的には半分が外国人でもいいと思っている。じつは中国や東南アジア、インドの大学にもインターンなどで積極的にアプローチして採用活動を行っている。現地での知名度の向上やリクルート活動も本格化していくつもりだ。

商社】日本の大学や学生のレベルは世界の中ではそんなに高くない。海外でのビジネスを展開していくには日本の新卒採用にばかり力を入れていられない。海外の大学との共同研究などを通じて優秀な学生を確保することが、グローバル競争に打ち勝つ最大の条件になってくる。

※すべて雑誌掲載当時