×あるあるNG資料

【bad!】新色が発売されたことしか伝わらない
まるでビジネス文書のような何の面白みもない無味乾燥なプレスリリース。これでは商品の魅力も使い方もさっぱり伝わりません。趣旨を理解するためには文章を我慢して読む必要があるわりに、結局伝わるのは「新色が発売になった」ということだけ。
【bad!】商品写真のみでイメージがわかない
南坊さんのつくったリリースは各カラーに合わせて「パートナーと」「女子会で」「子どもと」など複数のセグメントに訴求しているのに対し、こちらは何の変哲もない商品写真のみ。ただのお鍋のようにも見え、ホットプレートであることすらわかりにくい。
【bad!】情報量が少なく、寂しすぎる印象
プレスリリースは1枚でまとめるのが理想。とはいえ、これでは情報量が少なすぎてスカスカな印象です。文字の大きさや太さを変えてメリハリをつける、色を変えるなどデザイン面で工夫すれば、情報を増やしてもうるさくなりません。

<南坊さんの資料づくりのコツ>
▼イメージ写真の撮影に向けてスタッフと念入りに打ち合わせ
商品の使用例の写真は、料理研究家につくってもらったオリジナルレシピ。社内のキッチンスタジオで試作を繰り返し、各カラーの魅力をもっとも引き出せるレシピを開発。イメージに合わせたパーティーシーンを撮影している。おいしそうな匂いがしてくるような写真を目指しているのだとか。
▼言いたいことは3つにしぼる
南坊さんが常々意識しているのが商品のセールスポイントを3つにしぼること。「家電製品などはあれもこれも機能を説明したくなりますが、ポイントが多すぎると印象に残りません」(南坊さん)。特徴を短い言葉で整理しておくと、商品パッケージのコピーやショップスタッフのセールストークにも応用できて便利。
▼集めた素材を見ながら手書きで大まかなラフをつくる
フォントや行間の幅、微妙な色を細かく指定できる「イラストレーター」というソフトでリリースをつくっている南坊さん。細かい部分は拡大して作業をするため、気づくと「しまった! 全部入りきらない」という失敗も。それを防ぐために、先に手書きでラフレイアウトをつくっておくようになったそう。
南坊 実
イデアインターナショナル プロモーション・広報。新卒でイデアインターナショナルに入社して6年目。商品の卸先への営業を経験したのち、プロモーション部へ異動。広報活動とプロモーションを兼務する日々。
 
前田鎌利
監修プレゼンテーションクリエイター/書家。ソフトバンク在職中、孫正義氏の後継者育成機関の第1期生に選考され1位を獲得。孫氏のプレゼン資料づくりも数多く担当した。著書の『社内プレゼンの資料作成術』シリーズは11万部を超えるベストセラー。
 

編集=福田 彩 撮影=真板由起