うつ原因の扁桃体の特徴は

宗像博士の研究により扁桃体には次のような特徴があることがわかっています。

「扁桃体は身体感覚に影響される。身体感覚を良好化すると、うつ・メンタル不調は解決できる」

恋愛を例にとって説明してみましょう。今まで何にも感じていなかった異性に対し、ある日突然、「あ、好きかも」と感じたことはないでしょうか。そして、これはどうしてそう感じたのだと思いますか。

結論から言うと、それは相手の何気ないしぐさに突然、「胸がドキドキ」したり、「顔が火照ったり」「胸キュン」したからなのです。こういう身体感覚が起きたからこそ、扁桃体は「好き」という感情を発生させたのです。

そして、身体から良好な信号が脳に送られると、脳内には無意識に「好ましい顔表情イメージ」が作り出されます。「好ましい顔表情イメージ」のフィルターを通してその異性の顔を見るので、実物以上に「ハンサム」に見え、または実物以上に「かわいく」見えるのです。「恋は盲目」「あばたもえくぼ」という心理状態はこのように作られるのです。

では、うつ・メンタル不調の人はどうなっているのでしょうか。こういう人は、恋愛の時とは逆に一定の刺激にすぐに「身体緊張」が起きやすいという特徴があるのです。頭痛、肩こり、腰痛、胃痛、顔のこわばりなど、うつ・メンタル不調になりやすい人はこうした身体緊張を全身に持っています。

そしてネガティブな身体信号が脳に送られることで、扁桃体は「不安や恐怖」「嫌悪感」のマイナス感情を感じさせる「嫌悪系顔表情イメージ」が作られます。このフィルターを通して周囲の人の顔を見るので、うつ・メンタル不調をかかえる人は、周りの人がすべて自分にとって「怖い存在」に見えたり、「敵」に見えたりするのです。よって仕事で何か問題を抱えた時に、気軽に周りの人々に相談できなくなり、気軽にアドバイスを求めることができないために、一人で抱えてダウンするということになるのです。

山本潤一(やまもと・じゅんいち)
日本メンタル再生研究所所長、うつ・メンタル不調解決支援セラピスト
1958年、北海道生まれ。情動認知行動療法研究所客員研究員。20代から、大手ビジネスマン向け人材教育会社に勤務した後、独立。多くの企業に心理セラピストとして予防研修や集団メンタルトレーニング、個人メンタルトレーニングを提供。近著に『不安遺伝子を抑えて、心がす~っとラクになる本』がある。