「原発再稼働反対」を選んだ朝日社説

2年前の2015年8月12日は日航ジャンボ機墜落事故から30年を迎え、新聞各紙は11日付から12日付にかけてこぞって社説として取り上げた。

しかし朝日だけは取り上げていない。8月12日付の朝日社説は「原発再稼働」をテーマに大きな1本社説を書いている。「九州電力の川内原発(鹿児島県)の再稼働」について、「こうした疑問や問題、さらには民意を置き去りにした見切り発車の再稼働は認められない。仙台の決め方をひな型として今後も再稼働を決めていくこと、なし崩しで原発依存に戻すことには反対である」と強く訴えている。

日航ジャンボ墜落事故を扱わず、原発再稼働に反対する主張を全面展開する。社説を通常の半本にして「川内」と「御巣鷹30年」という2つのテーマを扱うこともできたはず。

どちらにすべきか。社説のテーマを決める論説委員の会議でも賛否両論があったはずだ。

結果として、朝日は社説において、原発再稼働反対という姿勢を強くアピールすることを選んだ。そこが朝日らしく、また嫌らしくもある。独断と偏見になるが、これが沙鴎一歩の見方である。読者はどう受け止めるだろうか。

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