親と「古墳に大コーフン!」できる子は伸びる

そして2冊目は、大塚初重監修『東京の古墳を歩く<ヴィジュアル版>』(祥伝社新書)である。

大塚初重監『東京の古墳を歩く<ヴィジュアル版>』(祥伝社新書)

「古墳」というと、近畿地方に集中的に存在しているというイメージを持つ人がいるかもしれない。意外なことに東京にも数多くの古墳があるのだ。歴史好きな子であれば、ぜひ東京の古墳巡りをすすめたい。本書はそのうってつけのガイドブックとなるだろう。

「東京に古墳? どこまで郊外に行けば見られるのだろう?」

そんなことばが聞かれそうだが、都心にも多く存在する。たとえば、東京タワーの近く、増上寺に隣接する芝公園内に「芝丸山古墳」がある(ここは縄文時代の貝塚も見られる)。この古墳は全長125mの大型前方後円墳であり、見ごたえも十分ある。

古墳は都内のあちこちにある。港区や品川区といった都心だけでなく、足立区や葛飾区といった下町、そして、多摩川中流域(日野市・あきる野市・狛江市・調布市など)や多摩川下流域(大田区・世田谷区など)にも分布している。

わたしのおすすめは、田園調布古墳群から野毛古墳群にかけてのルート散策だ。

東急東横線・東急多摩川線「多摩川駅」から歩いてすぐのところに「多摩川台公園」がある。この公園には前方後円墳の亀甲山古墳、宝莱山古墳をはじめ、実に10基もの古墳が存在する。さらに、園内には「多摩川台公園古墳展示室」があり、出土品なども見学できる。

この公園を北に抜け、しばらく散歩をすれば、野毛古墳群に行きつく。玉川野毛町公園内には帆立貝式古墳である野毛大塚古墳があり、墳丘が復元されている。目の前を走っている環状8号線を渡れば、そこは等々力渓谷。ここでは横穴式の石室などを見ることができる。

子どもと散策するにはうってつけだ。