サラリーマンは辞めたくないが給料は頭打ち。「副業でも」と考える人は多いだろう。会社の副業規制が緩やかになった今、どんな仕事を選べばいいのか。月額「5万円」「10万円」「20万円」の3コースに分けて、職種の特性と留意点を紹介しよう。

長く続けるための3つの準備

ネット社会の進展により、サラリーマンの副業は職種も稼げる金額のレベルも多様になった。空き時間に働く「時給型」以外に「成果報酬型」も増えている。今回は、稼ぎたい金額を月額「5万円」「10万円」「20万円」の3コースに分けて、職種の特性と留意点を紹介したい。指南してくれる専門家はノーマン・浦田氏。サラリーマン生活の合間に20もの副業を手がけ、総資産10億円を実現した人物だ。

株式会社ノーマンCEO ノーマン・浦田 
著書に『サラリーマンを副業にする超副業術』がある。

浦田氏は副業の選び方として「自分の関心度が高く、親しみやすい」「兼務しても本業に影響が出ない」「時間と場所の自由が利く」などを挙げ、始める前に3つの準備を勧める。

まずは「芸名を持つ」ことだ。「本業とは別の人格で仕事をする意識が大切で、本名ではやりにくい仕事もしやすくなります」(浦田氏)。そのために氏が自ら名づけたのが「ノーマン・浦田」という名前である。芸名というと突飛だが、別人格として取り組むことでやる気が出るし、副業の仕事もはかどるという。

次に大切なのは「時間設定」だ。1日24時間のうち就寝時間を除いた時間を6つのタイムゾーンに分け、その中で副業の時間を見つける。

ネット系の副業など空き時間をうまく使える場合は、「場所の確保」も意識したい。最初から考えるのも大切だが、副業を続けるうちに場所が見つかることもある。9つの会社に勤務した経験のある浦田氏は、たとえば本社勤務のときは社員食堂、図書室、談話室、コンピュータ室、非常階段などを活用したそうだ。これらの場所で、外部との電話やメールを済ませておくと、他の時間が有効に使えるという。

言うまでもないが、副業が本業の妨げになっては本末転倒。「会社の就業規則にはたいてい、『職務専念義務』や『兼業禁止』が明記されています。本業に真面目に取り組み、成果を出す人には会社も寛容です。兼業禁止は、就業中に目に余る行為をすれば問題ですが、就業時間外の活動については、会社もとやかく言わない時代になってきました。社会保険の完備や金融機関から借り入れがしやすいなど、会社員には『特権』があります。それを生かすためにも本業を大切にしましょう」。