さすが“安倍嫌い”な朝日である。他の各紙が通常の倍の1本の大きな社説を掲載するなか、朝日が半本社説にしたのは安倍政権に対する嫌味なのかもしれない。

「堅実な布陣」と評価する読売新聞

朝日社説以外の全国紙は、いずれも大きな1本社説で内閣改造を書いている。だがいずれの社説も総花的である。はっきりいって面白くない。

たとえば読売新聞の社説。「『経済優先』で原点回帰せよ」との主見出しを掲げ、こう書き出す。

「かつてない逆風の中での再出発である。『人心一新』によって、国民の不信感を払拭(ふっしょく)するという安易な期待は禁物だ」

「様々な政策を前に進めて着実に結果を出す。それが信頼回復を図る唯一の道である」

「第3次安倍・第3次改造内閣が発足した。麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官ら5閣僚が留任し、内閣の骨格は維持した」

「即戦力の閣僚経験者7人を再入閣させる一方、初入閣は6人にとどめ、堅実な布陣としたのは妥当だ。政策面で成果を上げるには、政権基盤の安定が前提となる」

「逆風の中での再出発」や「安易な期待は禁物」は問題ないだろう。だが、「堅実な布陣としたのは妥当だ」と評価するところなどは、「このまま説明責任を果たさないなら『疑惑隠し』の改造と言うしかない」と批判する朝日社説と対照的である。「保守の読売」対「革新の朝日」という旧来の構図そのままだ。

最大のサプライズは「河野外相」のはず

さらに読売社説は「安倍首相は記者会見で『最優先すべきは経済の再生だ。アベノミクスを加速させたい』と強調した。新内閣について『結果本位の仕事人内閣だ』とも語った」と書いたうえで、こう安倍内閣の方針を評価する。

「経済政策を最優先する首相の方針は当然だ。2012年12月の第2次安倍政権の発足時に掲げた『デフレ脱却』は依然、道半ばにある。景気は緩やかに回復しているものの、安定した成長軌道には至っていない」

アベノミクスの行き詰まりが指摘されて久しい。それにもかかわらず、「アベノミクスを加速させたい」と主張する安倍首相を褒めたたえるのはいかがなものか。だから「読売は安倍政権を擁護する新聞だ」と非難されるのである。

改造内閣での最大のポイントは、河野太郎氏の外相起用である。それは何よりのサプライズだった。少なくとも沙鴎一歩はそう受け止めた。河野氏は、元衆院議長でハト派の代表格といわれる河野洋平氏の長男だ。洋平氏と安倍首相とは政治信条が大きく違う。