以前見た韓国のコメディー映画で、こんな言葉がありました。

「したいことができるのは神様だけだ。人は自分ができることをするのが一番だ」

まずはいまの仕事を好きになることが大切です。

商品力のないビジネスパーソンはいらない

小林の問題は、実はもう一つあります。すでに50歳を過ぎているのに、ビジネスパーソンとしての「売り」、言い換えれば「商品力」がないことです。明らかに彼は「自分という商品づくり」を怠ってきました。今の時代、商品力のないビジネスパーソンに需要はありません。これは彼だけではなく、日本の多くのビジネスパーソンが共通して抱える課題でもあります。

会社から次々と与えられる仕事を必死でこなし続け、会社の社内事情や会社独自ルールにはかなり詳しくなる。しかし、「○○社の○○さん」という会社の看板を外した時、あなた個人として、何ができるでしょうか? 現実には、即答できる人はそれほど多くないでしょう。

「自分という商品づくり」をする際には、マーケティング戦略の考え方を、あなたのキャリア作りに応用できます。「マーケティング」というと宣伝や広告のことと思われがちですが、これらはマーケティング戦略のごく一部に過ぎません。

マーケティング戦略とは、企業が売り出す商品やサービスの価値を高めてより多くの顧客に届ける方法を整理し、誰でもできるようにまとめたものです。ここで「企業が売り出す商品やサービス」を「あなたという商品」に置き換えれば、マーケティング戦略の考え方を使って「あなたという商品」の価値を高めることができるのです。それを伝えるために、新刊『「あなた」という商品を高く売る方法』(NHK出版新書)を書き下ろしました。

私はこれまでシリーズ60万部超の『100円のコーラを1000円で売る方法』(KADOKAWA)、10万部超の『これ、いったいどうやったら売れるんですか?』(SB新書)などマーケティングの専門家として本を執筆してきました。そして新刊『「あなた」という商品を高く売る方法』では、マーケティング理論を「自分という商品づくり」に応用する手法を徹底して解説しています。ぜひ参考にしてください。

永井孝尚(ながい・たかひさ)
マーケティング戦略アドバイザー
1984年慶應義塾大学工学部卒業、日本IBM入社。マーケティング、人材育成を担当。2013年に退社し、マーケティングの本質を伝える講演や研修に従事。主な著書に、シリーズ60万部の『100円のコーラを1000円で売る方法』(KADOKAWA)、10万部の『これ、いったいどうやったら売れるんですか?』(SB新書)などがある。