そこで「設計が遅くて積極的に営業しなくなることが、自分にとってなぜ問題なのか」を解釈してもらうと、「A支店の営業成績が下がり、自分の査定にも響いて収入が減ったり、昇進できなくなる」という危機感が芽生えてきた。川西さんは「メンバーそれぞれの悪化のシナリオを描くことと、自分の解釈をすることで、A支店の問題が人ごとではなく、自分にとっても死活問題だということが、全員の腑に落ちたわけです」と説明する。

次に、「自分たちはどうなりたいのか」を思い描いてもらうと、「いつも笑顔で、何でも話し合える職場になり、50支店中10位を目指す」という理想像が全員から打ち出された(ステップ1)。さらに、それを実現するチームとしての初めの一歩が「ゴール」であり、「まず各部署の困りごとを知ろう」ということになった(ステップ2)。

ゴールに対する現在の位置を点数化

もちろん、10位へ引き上げるのは、並大抵でないことは全員が認識している(ステップ7)。そこで図3のシートを用いて、ゴールに対する現在の位置を点数化しながら確認し(ステップ5)、ゴール達成が可能な自信の根拠を、これまで行ってきた努力のなかから見出していく(ステップ8)。同時にゴールを達成できたときの利点も皆で話し合う(ステップ4)。

そして、個々人の「最初の一歩」として取り組む具体的な行動を考える。設計のCさんは、状況を把握して、より効率よく仕事を進めていくことにした。そうした各自の今後の行動がシートで一目瞭然になれば、それは皆の前で誓いを立てたのと同じで(ステップ9)、自らゴールへ向かっていく。