2017年8月11日(金)

鶏肉を熟成させると、なぜウマくなるのか

“朝絞め”が一番という常識を覆す

dancyu 2015年7月号

文・堀越典子 撮影・海老原俊之、高見尊裕

▼Q3. 鶏肉を熟成させるにはどんな方法があるの?

Q2でも説明した通り、菌の汚染を受けやすい鶏肉の長期熟成は素人が手を出せる領域外にある。プロでも熟成鶏を積極的に扱う店はほぼ皆無。ただし食中毒菌が検出されない無菌の鶏を用意できるならば別だ。たとえば、東京・銀座の「たて森」では、無菌鶏の「高坂和鶏」を氷温熟成とドライエイジングの2通りの方法でねかせている。

前者の場合は、ビニールでぴっちり包んだ丸鶏をタオルでくるみ、鶏肉にとっての氷温に当たるマイナス3.1℃で5~7日間貯蔵。氷温下では、食材は凍る寸前の一種の冬眠状態に入り、自らの細胞の凍結を防ぐために不凍液を蓄積する。この不凍液がアミノ酸であり、素材のおいしさを引き出す旨味成分となる。一方のドライエイジングでは、むき出しのまま冷蔵庫に入れ、風を当てながら温度をマイナス1℃まで下げる。熟成期間は1カ月の長期に及ぶことも! 鶏肉というよりは豚肉に近い、ミルキーな風味が加わる。

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堀越 典子