岡田代表の努力は裏目に出がち

先の山尾氏を政調会長に抜擢した岡田克也民進党代表は、イオン創業者・岡田卓也氏を父に持つセレブリティ。東大から旧通産省を経て、90年の衆院選で初当選した。

人柄を知る人には評判がいいが、国民の間では好感度の上がらぬ岡田代表(写真=共同通信フォト)

しかしてその実体は、酒はほとんど嗜まず、ダイエットに勤しみながら毎日一切れの羊羹を至福とする庶民派だ。脱炭水化物ダイエットを行う一方、国会内の役員室に置いてあるお菓子に手を伸ばし、「これはタニタの煎餅だからいいんだ」と周囲に意味不明な言い訳をしたことも。

そんな“庶民派”をアピールすべく、02年に党代表選に出馬したときには女性秘書を相手に「冗談を言う練習」をしたこともあった。

にもかかわらず、国民の好感度はイマイチだ。2016年の初めに役員室長の辻元清美衆院議員や代表代行の蓮舫参院議員が岡田氏のイメージチェンジを図るべく髪の毛を短く切らせたことがあった。が、かえって髪の毛の癖が出て、跳ねたヘアスタイルになってしまい、さすがにこのときの岡田氏は少々おかんむりだったという。努力が裏目に出ることが多いのは運のなさなのか。

ほかの2世、3世とは違う麻生副総理

時に、セレブは意外な面を持つ。吉田茂元首相を祖父に持つ麻生太郎副総理もそんな一人だ。

人柄を知る人には評判がいいが、発言の揚げ足を取られがちな麻生副総理(写真=Getty Images)

数々の失言や、「未曾有」を「みぞうゆう」と読んだ国語力ばかりが取り沙汰されるが、麻生氏は実は大変な達筆である。背広の胸ポケットから高価な万年筆を出し、さらさらと文章を書くところが、いかにもカッコイイ。

「麻生先生は歴代の秘書でクビにした人は一人もおらず、逆に不本意に辞めた秘書も一人もいないのは有名。先日亡くなった鳩山邦夫先生も秘書を大切にしていたから、事務所の結束が固い。ともに突き抜けた名門出身で、ほかの2世、3世とは不思議と違う」(ベテラン秘書)

そもそも高級品しか身につけない麻生氏。青山の一流のテーラーが作るスーツは特注品で、スラックスにはシワがつかぬよう裾に重りが入っている。小物の使い方も洒落ていて、14年のG20参加時は黒のボルサリーノを斜めに被り、水色のカシミヤのマフラーを巻いていた。これを米紙が「ギャングファッション」と揶揄したが、少年マンガの熱烈な愛読者の麻生氏は、むしろ劇画のキャラクターを意識していたように思える。

こうした実像はなかなか外には伝わりにくいが、好感度や信用度が高い人は、外に対するイメージと実像とを意識的に一致させようとする。少なくとも、話し方や口調を工夫し、外に対するイメージが崩れないよう、自分の理想像を演じるのだ。