30日には横浜市長選が待ち構える。自民党は公明党とともに3選を目指す林文子氏を支援し必勝を期すが、カジノ誘致、学校給食問題という地域の争点に「安倍問題」が加わり、激戦になっている。勝っても負けても横浜市長選の結果は31日、月曜日の朝刊に大きく掲載されることになる。少し先の政治日程をみると8月27日には茨城県知事選、10月22日には衆院愛媛3区補選が待ち構えている。2つの選挙結果を伝える翌月曜日の朝刊はどうなるだろうか。

改造効果「5%から10%」は絶望的

安倍内閣に浮上の目はあるのだろうか。当面注目されるのは8月3日に予定される内閣改造と党役員人事だ。一般的に内閣改造には「5%から10%」の政権浮揚効果があると言われる。改造の日、テレビ局は特別体勢をとって人事情報を速報、詳報する。新聞も同様だ。新しい内閣と党執行部の顔触れが決まると、期待料も含めて支持があがることが多い。

今回はどうか。安倍氏は人事を前に「骨格は変えない」と言っている。麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官、二階俊博党幹事長は不動とみられている。一方で、批判の矢面に立つ稲田朋美防衛相や、「共謀罪」法案の審議で閣僚としての資質に疑問符がついた金田勝年法相らは交代するだろう。「ポスト安倍」を目指す岸田文雄外相や、石破茂元党幹事長はどうなるか、人気の小泉進次郎氏の初入閣はなるか、などの関心はあるものの、総じていえば主力は温存し、イエローカード、レッドカードを出された閣僚を交代するだけの人事ということになりそうだ。それでは、大逆風を止めて「5%から10%」のプラスに転じるのは難しいだろう。

7月19日夜、安倍氏は高級ステーキ店「銀座ひらやま」で麻生氏、高村正彦自民党副総裁らと会食した際、「小泉純一郎さんが(2002年に)田中真紀子外相を更迭した時にも支持率が下がったな」と語ったと報じられている。小泉氏はその後、支持をV字回復して長期政権を築いた。小泉氏にあやかろうと考えているのだろう。

しかし、先に触れたように今、内閣が支持されないのは「安倍氏が信頼できない」が最大の原因だ。

「首相が替わってほしいと思う国民が増えている中で、首相は替えずにそれ以外を替える人事など、誰が関心を持つものか」

自民党中堅議員のぼやきが、安倍政権の現状の厳しさを言い当てている。内閣改造よりも、「ポスト安倍」に関心が集まり始めている。

(写真=時事通信フォト)
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