法人の9割、個人の8割が商品やサービスの購入前に複数のものを比較検討する。不毛な価格競争に巻き込まれる前に、営業マンは何ができるだろうか。競合営業マンの動きを把握して、魅力的な提案をぶつける方法を紹介する。

購入を決意するポイントは価格より中身と信頼

大手企業の購買部門では、1つの商品につき2、3社から仕入れることが常態化している。複数社から購入すれば、当然ながら価格・サービスの両面で競争が生じるため、かつてのようにルートを1社に絞るよりも有利な条件で仕入れることができる。不況が深まる中で、企業はこのメリットを重視しはじめたのだ。

仕入れ先を決定する際も、従来以上に競争原理を働かせる企業が増えてきた。たとえば、これまでは付き合いの長い取引先1社を優先していたケースでも、競合する2、3社を加えて必ずそれぞれに見積もりを出させるようにしている、というようなことである。

これとは別に、個人の消費行動にも同じような傾向が見られるようになっている。以前なら薄型テレビなどの家電製品を買うときに、手近な家電量販店へ行ってそこに並んでいる商品のうちから適当なものを選んでいた人が、いまは別のチェーン店へも足を運び、価格などを比較してから決めるようになった。以上はすべて、2008年秋からの景気悪化にともない顕著に見られるようになった傾向である。

私たちカーナープロダクトは、市場にこのような環境変化が起きていることを確かめるため、法人300社および個人300人を対象にアンケート調査を行った(09年3月実施)。その結果、予想していた以上に「相見積もり」や「競合数社の比較」を重視する企業・個人が増えていることが明らかになったのである。

これはいったい何を意味するのか。そして、その状況に対し営業マンはどのように対処すべきなのか……。アンケート結果をもとに、顧客企業を今後どのように攻略したらいいかを考えていきたい。

今回は法人300社、個人300人に対して同じ質問を投げかけた。最初の質問は「購入時に複数の企業を比較検討しますか」である。

法人からの回答は次のようなものだ。「比較検討は必須」と答えた会社は300社中212社、70.7%にのぼった。さらに「ほとんどの場合、比較検討する」が71社、23.6%。つまり9割以上の会社が日常的に比較検討していると答えたのだ。

一方、個人からの回答は「比較検討は必須」が300人中133人、44.3%だった。「ほとんどの場合、比較検討する」は、114人で38.0%。合わせると8割超の人が比較検討を行っていた。法人に比べれば比率が低いものの、消費者の多くはすでに比較検討する買い方を実践していることが判明したのである。

注目したいのはその先だ。