2017年7月28日(金)

「おいしいアイスコーヒー」の約束事6

酸味、苦味、どっちがお好き?

dancyu 2015年10月号

文・羽鳥靖子 撮影・伊藤菜々子 教えてくれる人:オオヤミノル
教えてくれる人:オオヤミノル
焙煎家。自家焙煎コーヒー店、京都「FACTORY KAFE工船」、岡山「カフェゲバ」のオーナー。自称ロリータ好き。アイドルの歴史は、キャンディーズのミキちゃん→伊藤つかさ→シャルロット・ゲンズブール。オオヤさんにとっての“天国みたいな喫茶店”は東京・浅草「アロマ」。

1. 酸っぱいのがお好き? それとも苦いの?

オオヤさんは言う。「アイスコーヒーだから深煎りが合うとか、この豆がいいとかはない。どんな豆でもアイスコーヒーはできるんです」と。だから、自分が飲みたい味、好きな味は何だろうと考えよう。コーヒーの味を決めるのは、産地や銘柄ではなくて焙煎の度合い。酸味のあるコーヒーが好きならば浅煎りの豆を、焦げた苦味のあるコーヒーが好きならば深煎りを飲んでみる。まずは好みの焙煎度を知ることが、おいしいアイスコーヒーへの近道。

2. コーヒージュースと出がらしの関係

「コーヒーのおいしさは、いかに甘く香ばしいジュースを搾り出すかで決まります」とオオヤさん。だから一滴一滴祈るような気持ちで湯を落とし、“搾る”感覚で淹れよう。だいたい10gの豆から、色の濃いピュアなコーヒージュースが約30mlは搾れる。あとは出がらしになる。淹れていると、出がらしになった瞬間に甘い香りが消えていくから、鼻は最大限に活用すること。この2つの割合で、コーヒーの味が深まる。アイスコーヒーの場合、ピュアなコーヒージュースだけでもおいしいが、味にエッジを加えるためにも出がらしで濃度調整。でも、量は少なめに。一口味見して、きつくて飲むのがしんどいぐらいがベスト。スムーズに飲めたら、アイスコーヒー用としてはNG。氷で薄まることを考えて、全体量が100mlを目安に。

3. 豆の量はケチらない

「豆の量は多めがいいでしょう。多分」とオオヤさんは言う。「温かいコーヒーなら量が少なめでも、きちんと“蒸らし”と“搾り”ができる人は、おいしいコーヒーを淹れることができるはずです」。ただ、アイスコーヒーは濃厚でピュアなコーヒージュースが必須。氷で薄まる分も頭に入れ、ここはケチらずに1人分約30gを用意しよう。

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羽鳥 靖子