大垣は人口維持、大牟田・石巻は人口減

次に、人口10万人台の地方都市を見てみる。まちづくりに関する国の支援を受けるべく策定された中心市街地活性化基本計画の3割が人口10万人以上20万人未満の市町村であるように、このクラスの人口規模が中心市街地活性化のボリュームゾーンである。このクラスには県庁所在地に次ぐ県内2番手の都市が多い。県単位の業務拠点が集中する県庁所在地に対し、いかに独自の求心力を打ち出してゆくかが課題だ。

このクラスの都市にも、人口減少がゆるやかな都市と急な都市がある。ここで、中心市街地活性化基本計画がある都市のうち、北から宮城県石巻市、岐阜県大垣市そして福岡県大牟田市の人口の推移をみる(図表2)。

中心市街地活性化基本計画がある地方都市のなかでも大牟田市は人口減少ペースが急である。大牟田市の2015年における国勢調査人口は117,360人と、過去ピークであった1959年の208,887人と比べ約半分にまで落ち込んでいる。大牟田市は三池炭鉱の企業城下町である。炭鉱の衰退とともに産業全体が落ち込み、人口が減っていった。

その大牟田市と1970年時点でほぼ同水準の人口だったのが石巻市だ。その石巻市も85年をピークに減少傾向を辿り、2010年には大垣市に抜かれてしまった。大垣市はここ20年ほど横ばいを維持している。そこで、人口減少が著しい石巻市と2010年時点でほぼ同規模であり、人口を長期間にわたって維持している大垣市の増減要因を見てみる。

まず石巻市は先の奥尻町と同じく農業や漁業のウェイトが元々高かった。製造業は造船、水産加工業や木材など第一次産業から派生するものが中心である。1985年から2015年にかけての国勢調査人口の増減内訳をみると、農林漁業、工場労働、建設作業等に従事する就業者が減少している(図表3)。

15歳未満の人口も減少した。もちろん少子化の影響が大きいが、就業者の減少の影響もある。全国ベースでみると1985年では就業者1人に対し15歳未満人口は0.45人だったのに対し2015年は0.27人と、もちろん少子化の影響が大きい。同時に、就業者数に15歳未満人口は比例するので、地域別にみれば就業者数の減少幅が大きいほど15歳未満人口の減少幅も大きいことがうかがえる。