超低金利の今、「一般財形貯蓄」にメリットはあるか

給与から定額を天引きして貯めてくれる「財形貯蓄」は、貯金のための優れたツールです。利率は定期預金に多少色がつくくらい。お勤め先によっては利子を少し上乗せしてくれる場合もあります。

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そんな財形貯蓄にも、難点はあります。まず、自動的に貯められるために放置ぎみになりやすいこと。月々いくらずつ貯めているのか、今いくら貯まっているのか、よくわからなくなりがちです(使わないという意味ではいいのかもしれませんが……)。

一般財形貯蓄と、財形住宅貯蓄や財形年金貯蓄との使い分けにも注意が必要です(※)。使い道を限定したくないから一般財形で、という方が多いのですが、他の財形のように利子課税の免除はありません。それほど高くはない利子に税金までかかるのなら、財形にこだわる理由を感じにくくなります。

※財形貯蓄には目的に応じて「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」の3種類があり、「年金」と「住宅」には両方合わせて元利合計550万円以内が非課税となる税制上の優遇措置がある。

とりあえず財形住宅貯蓄で貯めておいて、途中で解約しても、利子に税金がかかるのは過去5年分まで。6年以上貯めるなら、一般財形を選ぶメリットはありません。

1週間満期や2週間満期の定期預金のほうが利率が有利なこともありますし、中長期的に考えるなら一部を投資信託の積み立てに回してリターンを狙う手もあります。超低金利の今、最初にある程度お金を貯めるまでならともかく、まとまったお金を置いておく場所としては、一般財形のメリットは見えにくいように思います。