ショパールの衝撃いま再び──。ブランド初のミニッツリピーターは、まさに前代未聞の新機軸だ。この開発を指示したのがカール-フリードリッヒ・ショイフレ共同社長。“急がず焦らず、圧倒的な革新性を打ち出す”のがポリシーだ。
カール‐フリードリッヒ・ショイフレ氏
ショパール グループ 共同社長
1958年ドイツ・フォルツハイム生まれ。スイスのローザンヌで経営を学んだ後、ファミリービジネスに参加。96年ショパール・マニュファクチュールを設立。現在、ショパール グループの共同社長としてすべての経営・管理を担う。

機械式のトップブランドへとショパールを一変させた男

「販売店自体は減らす傾向にあるが、反対にオンリーブティックは増やしている。今回のギンザ シックスへの出店もこの流れ。ツーリストや若者に向けて発信することが狙いだ」

ショパール ブティック GINZA SIX店
主要なウォッチ&ジュエリーのほかブライダルコレクションもそろう。「ツーリストなどを見込んでいる」とショイフレ氏は出店の理由を語る。
東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 1F
TEL/03-6274-6813
営業時間/10:30~20:30

去る4月に東京・銀座に開業したギンザ シックスへの出店の理由を、ショパールのカール-フリードリッヒ・ショイフレ共同社長はそう話す。

ショパールが「LUC」を発表して機械式時計市場に参入したのが1996年。昨年はそれから20周年の記念イヤーとなり質量ともに充実した新作を発表したが、一年の最後に最大の“隠し球”を用意していた。ブランド初のミニッツリピーター「LUC フル ストライク」である。

「音響の研究をリヨン大学と共同で行い、5年間、じつに1万7000時間以上を研究開発に費やした。この数年でこれほど気持ちが高揚した時計はない」と熱く語るのには理由がある。ミニッツリピーターはハンマーが金属製のゴングを叩いて鐘の音を鳴らすのが通例だが、ショパールはそのゴングをサファイアクリスタルで製造し、しかもゴングと風防を一体成形するという“大技”に出た。ゴングの振動がダイレクトに風防に伝わり外へと放たれるため飛躍的な音量アップが見込めるが、大技と称したのは、サファイアクリスタルはガラスゆえに割れる可能性がゼロではないからだ。だがその心配を見透かしたかのように「150万回のテストで検査済み」だという。普段から実直な人物である。彼の物言いは大げさではないのだろう。

およそ20年前に周囲の反対を押し切ってショパール・マニュファクチュールを立ち上げ、既存機構の後追いではない新機軸を打ち立ててショパールを機構開発の先端的なブランドに押し上げたのがこの人。最高難度のミニッツリピーターといえども普通につくるのはポリシーが許さず、そこに新機軸を求める姿勢はやはりただ者ではない。

これぞショパールのDNA、新機軸のリピーター
「L.U.C フル ストライク」。ショパール初のミニッツリピーター。リピーター機構のゴングをサファイアクリスタル製にして風防と一体成形(写真右)した前代未聞の新構造。風防自体が振動するため音のボリュームも前代未聞だ。誤操作を防ぐ安全装置も備える。ジュネーブシールとCOSC認定の両方を取得。●18KフェアマインドRG。ケース径42.5mm。手巻き。アリゲーター・ストラップ。3002万円。世界限定20本〈ショパール ジャパン プレス〉