――組織体制に違いはあるか。

インフォシスは、インドの本社から「ワンカンパニー」で世界の事業を統括しており、組織やシステムも一元化されている。私も「代表」という立場だが、日本事業は現地法人ではなく支店という立場になる。このため組織としての統合性が高い。トップとの距離も近い。これまでは本社の判断を待つことが多かったようだが、今後、支店で独自に判断できる範囲が明確になれば、スピード感も増すだろう。

インフォシス本社の社屋のひとつ

一方で、アメリカの会社は連邦制だ。各国には独立した法人があり、アメリカの本社はそれを束ねる立場にある。このため複数国にまたがるプロジェクトでは、予算や売り上げの分担などでもめることもある。「ワンカンパニー」であるインフォシスではそういった問題は生じない。

日本の幹部は同じカルチャ―の男性ばかり

――日本との比較ではどうか。

日本企業のトップは予定調和型の人事で動く。「2期4年」などと任期が決まっているため、人事は玉突きが普通で、仕事でも激しい変化を避ける傾向がある。

もうひとつ、執行役員以上では、外国人や女性が圧倒的に少ない。日本企業の経営幹部は、基本的に同じ経歴、同じカルチャ―の男性ばかりだ。そんな環境では日本から出ようという発想は生まれない。国際的な競争力を持つためには、変化する必要があるだろう。

その点では、インフォシスは変化の途上にある。これまでは創業者のDNAが色濃く、「インドのオフショア会社」という枠組みが強かったが、2014年にビシャル・シッカをCEOとして迎えたことで、大きく変わりつつある。

――経営層に違いはあるか。

圧倒的なバイタリティの強さを実感している。インドの平均寿命は約68歳。人口は約13億人だ。一方、日本の平均寿命が約84歳で人口は約1.26億人。インド人は、寿命が短いが、競争相手は多いので、30、40代であっても経営者として突出しようと前に出る傾向がある。

インフォシスの本社には、「プレジデント」という肩書を持つ役員が4人いるが、全員が40代前半だ。そしてよく働く。インド時間の夜中に連絡をしても、すぐに返事が返ってくる。仕事も秘書任せにせず、できる限り自分でハンドルしている。生のデータをしっかり読み込んでいるので、経営判断は非常にスピーティだ。資料作りを経営企画部や財務部に任せてしまう日本の経営層とは、意識が大きく違うと感じた。