去る4月下旬、オーデマ ピゲが大阪・心斎橋に日本で2店舗目となるブティックをオープンした。世界的に販売網の見直しを行い、売上は順調に右肩上がりだという。着任以来、改革を進めるフランソワ-アンリ・ベナミアスCEOに次の一手を聞いた。
フランソワ-アンリ・ベナミアス氏
オーデマ ピゲ CEO

1964年フランス生まれ。プロゴルファーとしてフランス国内ランキング25位という成績を残した後、ブランドビジネスに転身。ジョルジオ・アルマーニ、ジャンフランコ・フェレなどのファッションブランドを経て、94年オーデマ ピゲ入社。99年から北米地域の代表取締役社長CEO。2013年1月に現職就任。

好調を追い風に新コレクションづくりが進行中

近年、高級時計ブランドの多くが販売網の再構築に乗り出し、取り扱い店舗を減らす一方で直営店を増やす傾向にある。オーデマ ピゲもその流れにあるという。

「全世界の取り扱い店舗数は2011年に540あったが、今年は300まで、2020年には200まで絞る予定だ。日本でもこの5年間で60店舗から17店舗に絞った。狙いは1店舗につき50~70本の時計をそろえてブランドの世界観を伝えること。この戦略が奏功して売上は順調に伸びている」

と、包み隠さずに話すのはフランソワ-アンリ・ベナミアス。停滞気味の高級時計業界で一人気を吐くオーデマ ピゲのCEOだ。

オーデマ ピゲ ブティック 大阪
日本では2店舗目、西日本では初となるブティック。高級ブランドが立ち並ぶ心斎橋の御堂筋にオープンした。天井が高い心地よい空間に、ウッドを多用してところどころに岩石を配置。ブランド創業の地、ル・ブラッシュの空気感を伝える。
大阪府大阪市中央区心斎橋筋2-6-9
TEL/06-6214-5401
営業時間/10:00~20:00 無休

オーデマ ピゲには「ロイヤル オーク」という大ヒットのコレクションがある。舷窓をイメージした八角形ベゼルのユニークさが受け、誕生から40年以上を経てもなお高い人気を得ている。それゆえ近年の新作は同モデルかその派生モデルの「ロイヤル オーク オフショア」が大半を占める。さらに今年からは横長の楕円形ケースの「ミレネリー」を女性専用へと転換し、となると男性向けはほかに丸形の「ジュール オーデマ」とクッション形の「トラディション」ということになるが、コレクションの充実度からするとロイヤル オークの比ではない。時計専業メーカーのラインアップとしては、時計ファンからすればやや物足りなさがある。

「現在は年産4万本、うち7割がロイヤル オーク。一目でわかるアイコン的デザインが若い世代に受けている。ただ、やはり依存度が高いのは確か。新しいコレクションの構想もある。まだ何も言えないが近い将来発表予定だ。ヒント? “石を閉じ込めた”時計とだけ言っておこう」

ミレネリー以来およそ20年ぶりとなる完全な新コレクションに、早くも期待が膨らむ。