ではどうやっていい医者を見抜くのか。確認してほしいのが病院のWebサイトだ。そこには医師の執刀経験や得意としている治療などの情報が詰まっている。それらをしっかりと確認したうえで、担当の医者を探すことが、いい医者に巡り合える第一歩になる。

診断を受けて「手術を」と告げられたら、最低でも3人の専門医の意見を聞きたい。その中で一人でも「手術は必要ない」と言う医者がいれば、手術はやめたほうが賢明。患者に考える時間を与えずに「手術が必要です」と勧めてくる医者は「金儲けのための手術」に興味のある医者だと考えてよいだろう。

また患者がセカンドオピニオンのために検査データの提出を求めても快く応じない医者も信用できない。患者を逃したくないと「儲け」の観点で考えているか、治療法に自信がないかのどちらかだ。検査、診断には必ず医学的根拠がある。それらをしっかりと紙に書いて提示してくれない医者には寄り付かないようにしたい。

これらを意識したうえで、親が元気なうちに親のほうにも準備することを勧めてほしい。準備とは自分の意思を書面に記しておくことだ。いざ大病を患うと、胃ろう、人工呼吸、手術の際の全身麻酔といった措置が取られる可能性がある。これらは特に高齢の患者には大きな負担となる。

親にはこういった処置を望むのかをしっかりと書面に記してもらい、自分の望む治療を受けることのできる環境を整えてあげることが大切だ。そういった意見をしっかりと聞き入れてくれる医者や病院こそ、本当に信頼してよい「いい医者、病院」である。

(構成=山崎テツロウ)
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