1764年、ジョン・アーノルドがロンドンに開いた時計工房をルーツとするアーノルド&サン。新作は彼の功績を称えるトゥールビヨンだ。

精密時計の現代版、COSC認定トゥールビヨン

18世紀半ばの英国では天文学者と時計師が経度計測をめぐり競い合っていた。時は欧州列強が海の覇権を争った時代。航海時に正確な経度を知ることが海上制覇への近道であり、天文学者は天文計測によって、一方の時計師は精密な時計によって正確な経度計測を目指したのである。

この競争で一躍頭角を現したのがジョン・アーノルドだった。1778年に彼が製作した「ポケットクロノメーターNo.36」は精度の要となる脱進機に新機軸を搭載し、実際の航海において高精度を叩き出した。後に量産化にも成功した彼のクロノメーターは以後多くの航海で使用されることとなり、現在の機械式時計の国際的な品質基準、COSC認定の原点となるクロノメーターの礎を築いたのである。

その「No.36」に着想を得たのがアーノルド&サンの「トゥールビヨン・クロノメーターNo.36」である。重力による精度誤差を低減するトゥールビヨン機構搭載で、もちろんCOSC認定取得。18Kゴールドコーティングにサンドブラスト仕上げの地板や受け、丁寧に面取りされた部品など、歴史的名機へのオマージュにふさわしい華やかさだ。

偉業を伝える懐中時計風デザイン
「トゥールビヨン・クロノメーターNo.36」。シンメトリーのデザインが特徴的で、針の形状や三角ブリッジに英国らしさを宿す。立体構造の自社製キャリバーA&S8600を搭載。ツインバレル。ケース裏からはCOSC(スイス公式クロノメーター検査局)認定の取得ナンバー(左写真)が見える。●SS。ケース径46mm。手巻き。アリゲーター・ストラップ。418万円。世界限定28本